平成最後の新年一般参賀 陛下のお心遣いでまさに「奇跡」のお出ましが…

カテゴリ:国内

  • 平成最後の新年一般参賀に朝から多くの人が並ぶ
  • 平成最多の15万4800人が皇居へ
  • 陛下の希望で急きょ7回目のお出ましが…

天皇皇后両陛下をはじめとする皇室の皆様は、1月2日、恒例の新年一般参賀のため皇居宮殿のベランダに姿を見せ、多くの国民から祝賀を受けられました。
今回は、平成最後ということもあり、いつも以上の人々が皇居を訪れました。
そして、ある意味「奇跡」ともいえるお出ましが行われたのです。

平成最後の一般参賀に早朝から長い列

1月2日の朝、いつも通り皇居で新年一般参賀を行うべく、宮内庁や皇宮警察では準備が進められていきました。

今年は、平成最後となることから、去年の約12万7千人を超える人が皇居を訪れる可能性もあり、開門を早めることや場合によっては、お出ましの回数を増やすことなど臨機応変に望むことが事前に確認されていたといいます。

新年一般参賀に並ぶ人々(1月2日 皇居)

やはり、早朝から多くの人が並んだことから、開門を15分ほど早め、午前9時15分、皇居正門の重い扉が開かれました。

1回目のお出まし

そして、10時10分、1回目のお出ましが行われました。

1回目のお出まし

「新年おめでとう。
晴れ渡った空の下、皆さんと共に新年を祝うことを誠に喜ばしく思います。
本年が、少しの、少しでも多くの人に、とり、良き年となるよう、願っています。
年頭にあたり、我が国と世界の人々の安寧と幸せを祈ります。」

天皇陛下はこのようにお言葉を述べられました。

11時からの2回目から5回目までのお言葉は、次のようなものでした。

「新年おめでとう。
晴れ渡った空の下、皆さんと共に新年を祝うことを誠に嬉しく思います。
本年が、少しでも多くの人にとり、良い年となるよう、願っています。
年頭にあたり、我が国と世界の人々の安寧と幸せを祈ります。」

「喜ばしく」が「嬉しく」へと微妙に変わっています。
実は、お休みの間に、お変えになることがあるのです。

ちなみに、6回目以降は、
「新年おめでとう。
晴天に恵まれ、このように皆さんと共に新年を祝うことを誠に嬉しく思います。
本年が、少しでも多くの人にとり、良い年となるよう、願っています。
年頭にあたり、我が国と世界の人々の安寧と幸せを祈ります。」

陽が傾きかけた、午後3時過ぎに姿を見せたこともあり、天皇陛下は、「晴れ渡った空の下」を「晴天に恵まれ」に変え、さらに「このように皆さんと」と、「このように」という言葉を加えられました

陛下は、いつも同じ言葉を読み上げるわけではなく、あくまでお気持ちをお言葉されているのです。ですから、その場に合った言葉を選び語りかけられているのです。

平成最多の15万4800人が皇居へ

今回は最終的に、15万4800人が皇居を訪れました。これは、平成最多の人が新年に皇居を訪れたことになります。
皇居前広場には、宮殿を目指す人たちの長い列が続きました。

宮内庁もより多くの人たちに来てもらおうと、11時50分からの3回目が終わった時点で、当初の5回のお出ましを1回増やすため、午後のお出ましを30分早め、午後1時から開始することにしました。

6回目のお出ましにも多くの人

そして、6回目は午後3時過ぎから始まりました。
宮殿前の庭には、これまでに見たこともないほどの人で埋め尽くされました。
皇宮警察の発表では、4万1600人が集まったということです。

天皇皇后両陛下、皇太子ご夫妻、秋篠宮ご夫妻、眞子さま、佳子さまはこれまで以上に長い時間、6分間ほど手を振るなどしながら、大勢の人たちと「交流」を持たれたのです。

6回目のお出まし

皇室の方々も、名残惜しそうに退場され、宮殿前にいた人たちは帰路につき始めました。
4万もの人が動く様子は、まるで大河がゆっくりと流れているようでした。

そして、その時間になっても入り口から宮殿前を目指して入ってくる人たちもいたのです。

正門が閉じたのは午後3時20分ごろで、実はその直前に、皇居前に並んでいた最後の人が正門を通過したということです。
つまり、6回目のお出ましが終わったころ、ようやく正門を通過したことになります。

そして、お出ましになった時にも、4万人がいる宮殿前では、ようやく着いた人がゆっくり奥へと進んでいる状態でした。

その様子をベランダからご覧になった陛下は、入り切れていない人たちがいることを察知し、急きょ、7回目のお出ましを強く希望されたということです。

急きょ7回目のお出ましが…

7回目は、宮殿前に残っていた4500人に向けて行われました。
8方の皆様が宮殿前に午後4時ごろ姿を見せられると、参賀者からは「万歳」の声とともに大きな拍手が沸き起こりました。

7回目のお出まし

これまでの一般参賀では、込み合っているためほとんど拍手は起こりませんし、「万歳」を叫ぶ大きな声でかき消されています。
私も、拍手の中、両陛下がベランダにお出ましになるのは初めて拝見しました。

陛下はこれまでの6回と何も変わらず、お言葉を述べられ、手を振って4500人に応えられていました。
ぎりぎりで皇居に入った人たちにとり「奇跡」のような時間だったと思います。

平成も残り4か月となる中、今年初めに、心温まるシーンとなりました。
心が温まるのは、陛下が一人でも多くの人と会い、「交流」をすることをどんなに大切にされているのか改めて感じさせてくれたからです。しかも、人が多い少ないは関係ないことも見せていただいたからです。

そして、陛下のお姿を見たことで純粋に喜び拍手する人たちがいたことは、「人々との交流」を大切にしている陛下にとっても喜びを感じられたのではないでしょうか。

この「奇跡」のお出ましは決して忘れられない光景となりました。

(フジテレビ 解説委員 橋本寿史)


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