国連が本部を置く国際政治の舞台であり、経済や芸術の分野においても世界の中心であるアメリカ・ニューヨーク市。

しかし、ここでも格差は深刻。マンハッタン島の北部に位置するサウスブロンクスは、麻薬や暴力事件が多発し、4人家族が年間270万円以下で生活する世帯が全体の約36〜47%以上を占める貧困地帯だ。収入や食への知識が十分にないことから、生鮮食品を買わない住民も少なくない。

子どもたちの間では、非行や無気力が蔓延し、乱れた食生活から肥満児も多かった。

「非行や怠ける原因は食生活にある」と、元教師のスティーブン・リッツさんは公立小学校の立て直しを任されることに。

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しかし、リッツさんは「600mlのソーダとチップス1袋が朝ご飯だった子どもに勉強を教えようとしましたが、ほぼ不可能だと。子ども達には本物の食べ物を与えるこが必要だった。それは、食べ物を自分で育てて、味わって、触ったり噛んだりして体感することなんだ」と話す。

そこで、LEDライトや水循環機能を搭載した最新の水耕栽培技術を使った “教室菜園”を始める。

子どもたちは、収穫した野菜を自分たちで調理して味わったり、栽培記録を通して読み書きや算数まで学ぶ。すると、授業に参加する生徒が増え、学力も大幅にアップしていった。

すべての子どもが確かな将来をつかめるように、リッツさんの活動は国内外に広がっている。

「この“教室菜園”は仕事を生み出すビジネスとしても成り立ち、子どもたちに大学進学や大きな可能性を与えている。教育とはそういう事なんだ」とリッツさんは話した。

NPO法人「グリーン・ブロンクス・マシーン」
https://greenbronxmachine.org/

「フューチャーランナーズ~17の未来~」
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SDGs

SDGsとは、2015年9月の国連サミットで、全会一致で採択された「持続可能な開発目標」。
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