“神様のお告げ”新元号「令和」に込められた意味とは? 日本語学者・金田一秀穂氏らが解説

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  • 「平成」の次の元号が「令和」に決定。出典は「万葉集」梅花の歌
  • 「令」の字が元号に使われるのは初めて。金田一氏「古くは”神様のお告げ”という意味」
  • 「和」が使われるのは20回目。的場氏「争わないで和を保つという、よい意味」

4月1日午前11時40分すぎ、菅官房長官が平成に代わる次の元号を「令和」と発表した。
その直後、日本語学者の金田一秀穂氏は、新しい元号「令和」の第一印象を次のように語った。

金田一秀穂氏:

「令」というのは、古い意味では“神様のお告げ”という意味。そして、“皆が仲良く“ということなんだろうと思います。

いい言葉なのではないでしょうか。悪くないですよ。ただ、「和」は昭和の「和」だったから、そういうのは選ばれないのかなと思っていましたけれど。
 
新元号の「令和」は、8世紀に完成し、さまざまな身分の人が詠んだ4500首以上を収録している日本最古の和歌集『万葉集』の梅花の歌を出典としている。

初春の令月にして
気淑く風和らぎ
梅は鏡前の粉を披き
蘭は珮後の香を薫らす (『万葉集』梅花の歌)

安倍首相の会見を前に、この歌から引用された新元号に込められた意味を、金田一氏と元官房副長官の的場順三氏が解説した。


(左)的場順三氏 (左から2番目)金田一秀穂氏

金田一秀穂氏:
冬から春にかけての気持ちがいい、新しい1年が始まっていく期待感ですよね。新鮮さというんですかね。その表れだろうと思います。
引き締まるような神様の言葉が含まれる季節、ということなんだろうと思います。

的場順三氏:
前回も実は、国文学の先生にお願いをしたんです。ところが結局、「源氏物語」と「枕草子」と「古今和歌集」みたいな話になってしまって、どうも適当なものがなかったという話なんです。それで、とうとう「万葉集」から選べるようになったかということが1つ。
それから、2文字目の昭和の「和」には、それぞれが自己主張してバランスがとれていない現在の世界情勢についてでしょうか。
「神様のお告げで、これから春になって和を保っていこう」という意味合いではないかと。だから、ものすごく時代に即したものではないでしょうか。
元号は、これまで中国の古典から引用されることが続いていたが、今回の「令和」は日本の古典からの出典となった。

金田一秀穂氏:
「和漢朗詠集」とか「万葉集」とかにそういうのがあるわけで。
いま調べたら、令月というのはおめでたい月だと。全ての物事を行うのによい月だと。だから、始まりのとってもいい月なんだよということですね。

「和」という字が元号に使用されるのは今回で20回目となるが、「令」という字は初めてだ。

金田一秀穂氏:
ちょっと神様っぽいから、あまり…ということはあったんだろうとは思います。「神のお告げ」というようなことがありますからね。
神様に代わって自分たちが命令、法令を下すということですね。だから、いい月、とてもおめでたいのです。
風が穏やかで和やかであると。とても季節感あふれる言葉とでも言えばいいでしょうか。

的場順三氏:
古来から日本の神様は争わないじゃないですか。それぞれすみ分けて。世界の神様は争っているでしょう。

金田一秀穂氏:
日本にも争う神様はいますけれどね。

的場順三氏:
争わないで和を保つという意味で、非常にいい意味だと僕は思いますね。
それから、国文学から出たというのが1つのエポックだと思いますね。

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