誕生から約100年“うっかり”で生まれた「柿の種」

新潟の定番土産「柿の種」。誕生から約100年…その誕生秘話や、美味しさの秘密を探った。

杉山萌奈アナウンサー:
新潟駅構内のお土産売り場、棚には上から下までずらっと柿の種が並んでいます。中でも大人気だというのが、浪花屋製菓の元祖・柿の種です

お土産売り場には、柿の種がずらり
お土産売り場には、柿の種がずらり
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米菓が盛んな新潟の代表的な土産の1つ「柿の種」。

100年ほど前、長岡市にある米菓製造会社で、ある「うっかり」から誕生した商品だという。
と、その歴史をひもとく前に…

浪花屋製菓の元祖・柿の種
浪花屋製菓の元祖・柿の種

杉山萌奈アナウンサー:
元祖・柿の種が1世紀ほど愛され続けている理由を、工場の中に入らせてもらい教えてもらいます。お願いします

工場の中へ、潜入取材!
工場の中へ、潜入取材!

おいしさの秘密は「生地」「焼き方」「味付け」

まずは、「元祖 柿の種」のおいしさの秘密を探る。

【元祖 柿の種のこだわり1.生地】

浪花屋製菓 上村一重代表取締役:
うちの柿の種は、もち米を主体に作っています

創業以来変わらないのが、生地に「もち米」を使うこと。
冷蔵庫の中で2日間かけて生地を固めたあとは、柿の種の形状にカットする。

柿の種の形に!
柿の種の形に!

そして…

【元祖 柿の種のこだわり2.焼き方】

杉山萌奈アナウンサー:
結構、熱いですね

浪花屋製菓 上村一重代表取締役:
熱を逃がすことで、きれいな焼き上がりになる。熱をこもらせて無駄なく焼くと、香ばしさが出ない

香ばしさの秘密は…
香ばしさの秘密は…

「もち米」のおいしさを最大限活かすため、香ばしさを追求した焼き方が浪花屋流。
熱を逃がしながら、200度前後の直火で約10分間焼き上げていくと…

200度前後の直火で約10分焼く
200度前後の直火で約10分焼く

杉山萌奈アナウンサー:
これが焼きたての柿の種?ちょっと色が違いますね

浪花屋製菓 上村一重代表取締役:
熱いですよ!

熱々のできたて
熱々のできたて

杉山萌奈アナウンサー:
熱!ふうふう、いただきます。味がついていなくてもおいしいです

浪花屋製菓 上村一重代表取締役:
ありがとうございます。それがもち米の特徴だと思います

【元祖 柿の種のこだわり3.味付け】

タレには、地元のしょうゆとトウガラシなどを調合した「秘伝のタレ」を使用。もち米の甘みを生かすため、砂糖は使っていない。

秘伝のタレを絡めていく
秘伝のタレを絡めていく

浪花屋製菓 上村一重代表取締役:
最後の仕上げは、人の手を入れています。
(なぜですか?)
やっぱりその方が、きれいにあがるからですかね

こうして、「元祖 柿の種」の完成だ。

つやつやの柿の種の完成
つやつやの柿の種の完成

「柿の種」元は「小判型」だった

1世紀にわたって愛され続けたロングセラー商品。誕生のきっかけは、この「金型」にあった。

浪花屋製菓 上村一重代表取締役:
奥さんが立ち上がった時に、偶然、その金型を踏みつぶしてしまった。踏みつぶしたので、こういうふうに柿の種に近い形に

1924年、浪花屋製菓の創業者・今井與三郎が、小判型の金型を使ってあられを作っていたところ、妻がうっかり金型を踏んでしまったことがきっかけだった。

提供:浪花屋製菓
提供:浪花屋製菓

浪花屋製菓 上村一重代表取締役:
直しきれないですけど、金型も高いものですから、当時 そのまま型抜きして商いに出ていたんですね

杉山萌奈アナウンサー:
ミスから生まれたのが柿の種

浪花屋製菓 上村一重代表取締役:
そうですね。偶然の産物ですね

この偶然できた形が「筆柿」という品種の柿の種に似ていたことから、「柿の種」と命名。

筆柿の種に似ていたことで命名
筆柿の種に似ていたことで命名

ハプニングから生まれたヒット商品は、いまでは多くの会社が製造し、地元の酒蔵とのコラボ商品なども販売されている。

浪花屋製菓 上村一重代表取締役:
元祖としての誇りを持って、引き続き末永く続けられるようやっていきたい

産みの親としてのプライドを持ち、受け継がれてきた伝統の味を、家で楽しんでみてはいかが?

(新潟総合テレビ)

NST新潟総合テレビ
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