たしかに円安の影響は大きいとは思いますが、それだけではないでしょう。どうしても日本旅行の「日本というインフラの優秀さ」を隠したい理由があるのでしょうか。

衰える気配のない日本旅行ブーム

先にも書きましたが、海外旅行、特に日本旅行は韓国人にとって(本人は「楽しい」と認識しているかもしれませんが)、「行くべき」という憧れに近い側面があることに加え、韓国の国内旅行先の物的・人的インフラがネットの時代を生きる人たちを満足させられないことやソウル市への一点集中化などの要因と相まって、総合的に韓国内での日本旅行の人気は衰える気配を見せません。

昨今の円安もひとつの要因ではありますが、日本旅行ブーム自体はかなり前から続いており、その時期がすべて(ウォン基準で)円安だったのかというと、それほどでもありません。

実はこの件、今年2月にブログでも取り上げました。そして、その際に私がまだ韓国人だった頃に書いた「韓国人による日韓比較論」シリーズ(扶桑社)を思い出しました。

日本旅行ブーム自体はかなり前から続いている(画像:イメージ)
日本旅行ブーム自体はかなり前から続いている(画像:イメージ)

基本は私が日本と韓国で見て聞いて感じたことを並べる内容ですが、当時の私は日本人ではなく、日本からすると「外国人観光客」の一人でした。

日本に来ると(行くと)いつも羽田空港に降りてモノレールで浜松町まで行き、予約した東京のビジネスホテルに行くか、東京駅で新幹線に乗るかのルートでした。

その際、駅や電車などで誰かが話す韓国語が聞こえてくることも少なくありませんでした。

「そこまで嫌いなら、なぜ日本に来るのか?」

ただ、特に若い人たちの場合、とにかく日本への文句が多いです。

「交通費が高い」など客観的な話ならまだわかりますが、その多くは個人的というか主観的というか、韓国と「異なる点」への不満のようなもので、「そこまでいちいち気になるなら、なぜわざわざ日本に来るのだろう?」と、いつも不思議に思っていました。

韓国人の日本旅行の場合、リピート率が高い(画像:イメージ)
韓国人の日本旅行の場合、リピート率が高い(画像:イメージ)

そうした人たちが初めての日本旅行で、もう二度と来ないというのならわかります。

しかし、韓国人の日本旅行の場合、リピート率が高く、さらに2回目の日本旅行した人になると、7割以上が「また行く」と答えたアンケート結果もあります。