通帳などを発見できなかったからといって、直ちに損をするというものではありません。権利証についても、それがなくても不動産の名義変更はできるようになっています。
仮に財産に関する資料がなくても、それだけで心配する必要はありません。とはいえ、その場合の調査方法については知っておきたいところです。

通帳がなかったとしても、年金の支給や引き落としのための口座は必ずどこかの銀行に持っているはずです。
そこで、近隣の銀行やゆうちょ銀行などに照会をかけていきます。もちろん、誰でも照会ができるわけではありません。基本は相続人からの申出となります。そのため、相続人であることを証明するため、戸籍謄本や本人確認資料(運転免許証やマイナンバーカード)などが必要となります。
口座があることが分かれば、残高証明書や過去の取引履歴を取得することができます。窓口に出向いてもその場ですぐに発行されない場合がありますので、やはり、時間的余裕を持って調査を行いたいところです。

残高証明書を取得することができれば、故人の財産のリストアップが進みます。財産はあまりないと聞いていたのに、色々と調べてみると予想以上に口座が多くあり、「けっこうあるじゃないか!?」と、それこそ“開けてみてビックリ”というケースもあります。
取引履歴を見れば、引き落としされているものが判明します。水道光熱費が落ちていれば、止める手続きをするか、次の引き落とし口座に変更することが必要となります。ローンの返済が続いていれば、現在の負債はどれだけ残っているのかを確認するステップに進みます。
所有している不動産が分からない場合
不動産のことがよく分からない場合は、どうすればいいでしょうか?