復刻されたデザインで、数量限定で販売されている「パインアメ缶」。大人気の裏側で、高額転売が続出し、製造元のメーカーが転売しないよう呼びかける、異例の事態となっている。

約70年前のデザインが復活 大人気の一方で

8月21日午前9時ごろ、大阪市の阪神梅田本店は、開店1時間前にもかかわらず長い行列ができていた。お目当ては16日から数量限定で販売されている「復刻パインアメ缶」(税込み1650円)だ。

開店1時間前、阪神梅田本店に長蛇の列(8月21日午前9時ごろ 大阪市北区)
開店1時間前、阪神梅田本店に長蛇の列(8月21日午前9時ごろ 大阪市北区)
この記事の画像(6枚)

16日に購入した女性は「買えました。ありがとうございました。子供たちがパインアメすごく好きなので、子供たちと食べます」と話した。

缶のデザインは約70年前のもの。2023年3月、関東地方に住む女性が、祖母の遺品を整理していた際に古いパインアメの缶を見つけ、製造元の会社に寄付した。

SNSで話題となり復活し、数量限定で販売
SNSで話題となり復活し、数量限定で販売

すると、製造元が「弊社のホームページのお問い合わせフォームに1通のメールが届きました。昨年他界されたおばあさまの遺品を整理していたところ、パインアメの缶を発見されたとのこと。手芸のボタン入れとして大切に保管してくださっていたそうです」とSNSに投稿したことで話題となり、“復活”したのだ。

初日から開店前には整理券の配布が終了するほどの人気で、最終日の21日も開店前にはすでに完売する事態に。購入できた女性に話を聞くと、「始発の午前5時6分の電車に乗ってこっちに来て、もうずっと待ってました。母が懐かしいのでどうしても欲しいと。ラッキーです」と復刻缶を見せてくれた。

最終日の21日も開店前に完売
最終日の21日も開店前に完売

ところが、自分や家族のために購入する人がいる一方で、フリマサイトには高額で転売するケースが…。1缶1650円(税込み)にもかかわらず、2缶で1万6500円と5倍の値段で販売されているものもあった。

フリマサイトで高額転売される「復刻パインアメ缶」
フリマサイトで高額転売される「復刻パインアメ缶」

最終日、午前9時前に来たにもかかわらず売り切れで買えなかったという男性は、高額転売されていることについて「残念ですね。やっぱり一ファンとしては、ちょっと心外ですね」と話す。

製造元のメーカーは、SNSで転売しないよう呼びかけ
製造元のメーカーは、SNSで転売しないよう呼びかけ

製造元のメーカーは、SNSに「何卒転売はおやめください。また、高値で転売されたものを買わないことで転売が減ることもございます。ご協力をお願いいたします」と投稿し、転売しないよう呼びかけている。

(「イット!」8月21日放送より)