8月18日、東京都の小池百合子知事は、この夏、「水不足になる恐れがある」と警鐘を鳴らし、節水への協力を呼びかけました。
この記事の画像(19枚)小池百合子知事:
今後の気象状況によっては、さらに貯水率が低下する可能性がありますので、みなさまには節水のご協力をお願いしたいと思います。 水を大切に使う、水の流しっぱなしをとめていただく。一人一人の協力が大きな効果につながりますので、よろしくお願いしたいと思います。
群馬県みなかみ町の利根川上流にある矢木沢ダム。
貯水量は関東最大で、“首都圏の水がめ”呼ばれているこのダムが、いま“深刻な事態”になっているのです。
首都圏の水がめ 地面はひび割れカラカラに
7 月12 日時点で、約92%の貯水率だった矢木沢ダム。
しかし、8月20日の時点では約37%まで減少。上空から撮影された映像を見ると、水面が大きく下がり、地面があらわになっていることが分かります。
ダムを管理する水資源機構の笠井昭彦さんの案内でダムの下へ降りてみると、地面は乾燥でひび割れています。
土を手に取ってみると、サラサラとこぼれ落ちていきます。
水資源機構 沼田総合管理所 笠井昭彦管理課長:
7月の大利根川の上流域での雨が非常に少ない状態。例年の44%ということで半分以下であったということ、また8月もまとまった雨が降っていないですね。雨が降らない状態が続くと、ダムとしては厳しい状態になっていくと考えられます。
7月以降、まとまった雨がほとんど降っていないため、水位は低下し続けていました。
水をせき止めるコンクリート部分を撮影した写真では、日を追うごとに明らかに水位が低下している様子がわかります。8月15日には、ダムの底が確認できる場所も。
“首都圏の水がめ”である、利根川水系の9つのダムの貯水量を見てみると、最も低いのが矢木沢ダムで37%。
一部で貯水率が100%の場所もあるものの、9つのダムの全体の貯水率は約67%と平年を下回っており、今後50%を下回ると「取水制限」を検討しなくてはいけなくなります。
矢木沢ダムの利水容量と、降水量をみてみると、利水容量は7月に急激に減少、降水量も7月以降に減少していることが分かります。
20日までの8月の降水量は46.5mmと、平年比の43%程度です。
都内にも水不足の影響「かなり樹木として傷んでしまっている」
水不足の影響は、こんな所にも現れていました。
取材スタッフ:
東京・渋谷区の街路樹ですが、葉っぱが黄色くなってしまっていて枯れているように見えます。
「めざまし8」の取材班が訪れたのは、東京・渋谷区。平年ではイチョウの葉の色はまだ緑色なのですが、すでに紅葉シーズンにみられる黄色や赤っぽい色をしていました。
都内の街路樹などを整備している造園業者に、その原因を聞いてみると。
造園業者 中田弘さん:
この木は「高温」と「水不足」が影響してしまって、本来緑のはずの葉っぱが、黄色くなってしまっている状態ですね。かなり樹木として傷んでしまっている状況にあります。
生活に大きな影響を及ぼす可能性もある「水不足」。
関東は22日、雨の降るところもありますが、貯水率の回復には時間がかかるとみられます。
(めざまし8 8月21日放送)