想定外のことが起きたとき、あなたは「経験」と捉えるだろうか、それとも「失敗」と捉えるだろうか?

メルカリ総合研究所が3月に、18歳〜57歳の男女600人を対象に実施した調査(Z世代の行動特性や価値観とクレジットカード利用に関する調査)で、「Z世代」はバブル世代に比べ、「想定外」を失敗やストレスと捉えやすい“サプライズアレルギー”を持つ傾向があることが分かった。

この調査で、想定外のことが起こるのは「失敗」だと捉えるか「経験」だと捉えるか、聞いたところ、Z世代は30%が「失敗」と捉えると回答したのに対し、バブル世代は21.3%が「失敗」と捉えると回答した。

この結果について、メルカリ総合研究所は「バブル世代よりもZ世代の方が1.5倍、想定外なことが起こることを“失敗”として捉える傾向がある」としている。

想定外は失敗と捉える(提供:メルカリ)
想定外は失敗と捉える(提供:メルカリ)
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また、価値観について当てはまるものを選んでもらう(複数回答可)質問では、Z世代の6割以上が「想定外のこと/サプライズなことはできるだけ避けたい」と回答。

半数以上が「結論だけ先に知りたい」「プレゼントは先に相手に欲しい物を聞いて購入する」「デリバリーは配達状況を見て、いつ到着するか確認する」と回答した。

一方で、「先行きが見えない方がワクワクする」という回答は3割弱だった。

この結果については「半数以上が“想定外”を好まず、結論を先に知りたがっていた」としている。

※価値観として当てはまるもの(提供:メルカリ)
※価値観として当てはまるもの(提供:メルカリ)

「Z世代」はバブル世代に比べ、「想定外=失敗」と捉えやすいということだが、この理由としては、どのようなことが考えられるのか?

また、Z世代は「誕生日」などのお祝いのサプライズは好まないということなのか?


メルカリの担当者に“Z世代のサプライズアレルギー”の理由を聞いた。

「Z世代は次々と不測の事態に見舞われてきた」

――Z世代は「想定外=失敗」と捉えやすい。この理由としては、どのようなことが考えられる?

Z世代(今回の調査での定義は現在18歳〜26歳)は、物心ついたときから目立った経済成長はなく、同時多発テロ(2001年)やリーマンショック(2008年)、東日本大震災(2011年)、そして新型コロナウイルス(2020年~)と、次々と不測の事態に見舞われてきました。

だからこそ、「想定外(サプライズ)=良くないこと」と捉えやすい一方で、不測の事態は「いつ起こるか分からない」など、バブル世代に比べて、こういった志向はこれまで混沌として時代を生きているから、他の世代より強く出ている要因だと思います。
 

――Z世代は「誕生日」などのお祝いのサプライズは好まないということ?

今回の調査では、「誕生日」をサプライズとして個別で調査してないため、「誕生日」という個別内容に関しては調査結果での回答は難しいです。

今回の発表会に登壇いただいた、世代・トレンド評論家の牛窪恵さんからは、「誕生日などにおいても、先にプレゼントをあげる方に欲しいプレゼントを聞いて、欲しい物を上げることで、要らないものをあげてしまうというネガティブなサプライズが無いようにする傾向にある」というコメントをいただいており、同様の傾向はこういったシーンでも、あらわれていると思います。

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――Z世代の誕生日をお祝いするときには、サプライズではなく、事前にお祝いをすると伝えておいたほうがいい?

今回の調査でZ世代の時間や透明性に関する考え方を聞いたところ「プレゼントは先に相手に欲しい物を聞いて購入する(51.3%)」という回答があるので、事前に把握したいニーズは高いと予測できます。

「Z世代は将来に備える傾向が強い」

――今回の調査結果、どのように受け止めた?

今回の調査では、Z世代は「タイパ(=タイムパフォーマンス)」を意識して、何でも予見した上で効率よく物事を進めるという考え方が、他の世代より強い傾向があることが分かりました。

たとえば、不測の事態に備えて、今、起きていることや将来に起こることを把握し、いざというときに備えて防御したいニーズが高く、将来に備える傾向が強いと言えます。

また、健康管理や「ToDoリスト(現在するべきことを書き出したもの)」の活用、健康アプリなどで、ちゃんと自分のことを理解して、病気に備える、管理して忘れないようにするなど、Z世代は様々なシーンで想定外が起こらないように備えていると思います。

こうした傾向がクレジットカードの利用についても、特長として出てきたことには驚きました。

クレジットカードについて、Z世代の半数以上が「リアルタイムに利用明細を把握したい」と回答しています。

若者というと、特に計画をせずにお金を使ってしまうと思われがちですが、今のZ世代は非常に堅実で、想定外が起きないように、失敗しないように、自分の利用をきちんと把握して、かつ、そういうことができるサービスを選ぶ傾向があるというのは新たな発見でした。

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「想定外=失敗」と捉えやすい傾向があるという、Z世代。一方で、不測の事態に備えて、将来に備える傾向が強いことも、みえてきた。
つまり、Z世代らしい賢さがあるということだ。
家族や職場にZ世代がいるという人は、今回の調査結果を、接するときの参考にしてみてはいかがだろうか。

プライムオンライン編集部
プライムオンライン編集部

FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。