日本大学は、一連の背任事件により損害を受けたとして、田中英寿元理事長らを相手に、総額およそ11億1360万円の損害賠償を求める訴えを、東京地裁に起こしたと発表した。提訴は30日付け。担当理事らが、午後3時半から記者会見を行い明らかした。

日大側の説明によると、元理事らが逮捕・起訴された日大板橋病院をめぐる背任事件などで、損害を受けたという。建て替え工事や医療機器の納入をめぐって、億単位の金が、日大側から流出。

背任事件ごとに損失額を算定した他、調査費用なども計上して、およそ11億1360万円の損害賠償を求めることになったという。被告は、田中元理事長の他に、元理事と元医療法人代表など5人と、法人が3社。

田中元理事長は、関係業者から受け取ったリベートなど、およそ1億2000万円を隠し、所得税およそ5200万円を脱税した罪に問われ、懲役1年、執行猶予3年、罰金1300万円の判決が確定した。

背任事件では逮捕・起訴されていないが、日大側は、「背任事件についても、民事の責任はある」と判断して、田中元理事長についても提訴したという。今後、追加提訴も検討しているとのこと。

社会部
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