先月31日、千葉県柏市で撮影されたのは、大きな口でカエルを丸のみする一羽の鳥。
木に止まりながら、遠くを見つめる鳥は、どこか物憂げな様子にも見えます。一方、飛び立つ時には、猛々しい姿も見せます。今、千葉県内で目撃談が相次ぎ、話題になっているこの鳥。その名は「ミナミジサイチョウ」。
この記事の画像(5枚)専門家によると、この鳥は、ミナミジサイチョウという絶滅危惧種に指定されている希少なもの。本来、主に南アフリカなどに生息しているといいますが、去年8月、その姿は、千葉県柏市の住宅街で目撃されました。
専門家:
基本肉食の鳥なので、虫とかカエルとか蛇とかを食べる
ーー生態系への影響は?
専門家:
全くないとは言い切れませんが、分かりません
南アフリカに生息する鳥が、なぜ千葉県で頻繁に目撃されているのでしょうか?
目撃されているのは、同じひとつの個体なのでしょうか?この謎を解き明かすため「めざまし8」は、去年と今年、続けて見たという人たちを取材しました。
巨大な鳥を目撃した人:
よく冬を越したなという感じはしたんですけどね。去年見たときよりも、少し(老いて)ヨボヨボしてるという感じがあったんですけど…
どこか年老いたような印象を受けたという目撃者もいました。
めざまし8が調べたところ、千葉県の柏市や我孫子市などを中心に去年3月から20件以上目撃されてることがわかりました。
目撃談が多かった現場では…
巨大な鳥を目撃した近隣住民:
ここら辺で3回ぐらい見ました。本当です。やっぱり(目撃したのは)明るい時間ですね
6月1日、取材班が付近で遭遇したのは、ミナミジサイチョウと同じ黒色ですが、大きさもくちばしの色も違う別の鳥。結局ミナミジサイチョウに出会うことはありませんでした。
巨大な鳥を目撃した人:
1羽だけで、おそらく繁殖することもないですし。できることなら生物として…飼育されたものかもしれないですけど、無事に生き延びて命を全うしてくれるといいですけどね
千葉県にいないはずの鳥…飼われていた個体か
そもそもなぜ、千葉県にこの鳥がいるのでしょうか?
生息地の南アフリカから飛来することはなく、動物園から逃げ出したという情報も入っていないということです。人に慣れていたという証言もあることから、元々飼われていたものが逃げ出したか放たれた可能性があるとみられます。
山階鳥類研究所の平岡考さんは「持ち主のためにも、自然環境に元々いない生き物が人為的に放されている状態が好ましくないという点からも、早く飼い主の手元に戻せるのが一番。無責任、不注意な飼育がいけないということをみんなで共有することが必要だ」と話しています。
元々日本にいない鳥で、周囲の目を引きますが、もしも、こうした生き物の飼い主がいるとしたら、野に放たず、大切にしつづけることが重要です。
(めざまし8 6月2日放送より)