長崎県の島原鉄道・吾妻駅前に2026年6月にオープンしたかき氷店「REO」。ふわふわに削った氷の上に手作りのイチゴソース、ムース状のクリーム、フルーツをトッピングした"映えるかき氷"が客を集めている。
その一方で、この店には、17年間にわたって刻まれ続けた深い歴史がある。
一目見てすごいと思わせるかき氷
6月12日、雲仙市吾妻町の新店舗にオープンしたかき氷店「REO」は、1年を通じて常時10種類ほどのかき氷を提供する。
「ルビーレッドキウイ」(1300円)や「カフェラテ」「いちごショート」など、メニューにはドリンクやケーキかと思うような名前が並ぶ。
オーナーの庄崎菜月さんは3人の子供を育てる母親であるが、自分で何かしたいという思いから起業を決意した。目指すのは、大人も子供も楽しめるかき氷だ。
「まず一目見てかわいい、すごいという言葉をもらえたら一番うれしい。第一印象ですごいと思ってもらえるようなかき氷を作りたい」と語る。
オープン初日から、開店を祝う友人やかき氷好きの客でにぎわった。
店内では“映えるかき氷”とともに写真を撮る姿が絶えなかった。
旅行に出かけたまま残された店
この店は元々、地元の人たちが集うラーメン店だった。
しかし、2009年11月、韓国・釜山市で起きた射撃場火災で店主の島田明さん(当時37)が亡くなり、閉店を余儀なくされた。
地元の祭りの準備で厨房が使われることはあったが、店は17年もの間、島田さんが旅行に出かけたまま残されてきた。
菜月さんの夫で地元出身の龍馬さんは、射撃場火災の別の犠牲者と面識があった。
「自分が話していた方もその中の一人だったので悲しかった」と振り返る。
使えるところは使い、残せるところは残す
2025年、高齢になった島田さんの両親が雲仙市の空き家バンクに店舗兼住宅を登録し、店舗部分を庄崎さんが借りることになった。
明るい雰囲気にリノベーションされたが、亡くなった島田さんがこだわった店の面影はあちらこちらに残っている。板間も丸窓もそのままだ。
菜月さんは、「変えたところは色ぐらいで、使えるところは使いたかった、残せるところは上手に残したかった」と話す。
17年前と変わったのは、仲間の集合方法だ。
「この店にいるよ」と電話で呼び出す代わりに、“今していること”を伝えるインスタグラムを見て駆けつける、そんな客の姿が時代の流れを物語る。
夏に負けないかき氷を作り続ける
季節の果物を使った"映える"かき氷は、SNSに画像がアップされると次々と人を集める。
夏に負けないようにおいしいかき氷を作っていく...菜月さんの言葉には力がこもっている。
夏本番を迎え、島原鉄道の吾妻駅前にある小さな店が、新しい時を刻み始めている。
(テレビ長崎)

