2月8日に投開票される衆議院選挙の主要な争点の一つに「食料品の消費税ゼロ」が浮上している。専門家は食料品の消費税がゼロになった場合の家計負担軽減効果を試算。一方で、宮崎県の河野俊嗣知事は地方財政への影響や代替財源の不透明さに強い懸念を示しており、物価高騰が続く日本経済における消費税減税の多角的な議論が必要となっている。
消費税減税で何が変わる? みやぎん経済研究所
衆議院選挙の争点の一つとなっている消費税。与野党が食料品の消費税ゼロを掲げる中、食料品の消費税がゼロとなった場合に何が変わるのか、エコノミストによる様々な試算が出ている。

第一生命経済研究所の試算では、2026年の家計負担について、ガソリンの暫定税率廃止の効果はあるものの、4人家族で2025年より8万9000円増加すると見ている。
一方、大和総研は飲食料品の消費税がゼロとなった場合の経済効果を試算。飲食料品の消費税減税額を国内すべての世帯で割った場合、1世帯当たり年間8万8000円軽減されると見ている
物価高による負担の増加と減税の効果はほぼ同額、と言えそうだ。

みやぎん経済研究所の尾上和広常務理事は、負担感をなくす意味では妥当な線であり、物価が想定以上に上がらなければプラスアルファの効果は出るとの見方を示した。一方で、市場関係者の間では「一度下げたものは上げられないだろう」と言われているとし、今後の政策や、膨らむ社会保障費をどう抑える政策を打てるかにかかっていると話す。
食料品の消費税減税による減収額は5兆円とも言われ、社会保障費の財源とされてきた消費税を減税することはできるのか、懸念が残る。
また、円安や原材料価格の上昇でインフレに転じる中での消費税減税議論に対し、尾上常務理事は「そうした局面では過去のデフレ局面における政策とは異なる政策も必要になるので、おそらく今後、政府もそうしたことを考えた政策を打ってくるのではないか」と見解を示した。
FP「食料品税ゼロはインパクト大」
家計の相談に応じるファイナンシャルプランナーの二宮清子さんは、必需品である食料品の減税インパクトは大きく、その効果で将来に備えることが大切だと話した。

二宮さんは「ざっくり、年で6万円くらいは家計が楽になる」と分析する。総務省の家計調査で2人世帯の食料品支出から見た場合の減税効果である。

食料品の消費税は2人世帯の場合1カ月に約5,200円払っており、これがゼロになった場合、1年間で約6万円の負担が減る計算となる。
二宮さんは、減税の恩恵を将来に生かすために、浮いた6万円を各家庭でどう使うかを考えてほしいと話す。
ファイナンシャルプランナー 二宮清子さん:
違うところで税金が取られたり、社会保険料が増えたりとかという懸念も正直あるけど、浮いた6万円を各家庭でどう使うかを考えてほしい。稼ぐ力を高めるためのスキルアップや、お子様の習い事をひとつ増やしたりとか、ちょっと高い健康診断を受けて健康を維持させるとか、資産運用など。
「消費税にかわる財源」 河野知事の懸念
宮崎県によると、食料品の消費税が現在の8%から0%となった場合、県と市町村では合わせて年間94億円の税収が減少する。

全国知事会の地方税財政常任委員長を務める河野俊嗣知事は、「減税の議論を否定しているわけではない」とした上で、代わりの財源が示されていないことへの不安を口にした。
河野俊嗣知事:
消費税の4割は、交付税も含めた様々な形で地方の財源となっている。減税が実現した時の減収の影響が地方財政に大きな影響を与えることはあってはならない。「どこでそういう財源が見つけられるんだろう」という、ちょっと8頭が働かない部分がある。国に対しては、今後もしそこに踏み切るのであれば必要な対応をはかっていただきたい。それがもし国債でまかなわれるのであれば、将来世代につけを回すことになりかねないので、国の財政運営としてもそこの在り方に対して強い不安を抱いている。
消費税は子育てや介護、難病の医療費など社会保障関連費の財源にもなっている。消費税の減税について将来に向けた財源論は避けて通れない課題だ。
(テレビ宮崎)