アメリカ国防総省は23日、国防戦略の方向性を示す「国家防衛戦略」を公表し、アメリカ本土の防衛を最優先課題と位置付けるとともに、日本を含むすべての同盟国に対し、GDP=国内総生産に占める防衛費の割合を5%に引き上げるよう求めました。

「国家防衛戦略」はアメリカが安全保障上の脅威に対処する方針などを示す政策文書で、前回はバイデン政権時の2022年に公表されています。

第2次トランプ政権発足後初となる「国家防衛戦略」では、アメリカ軍の最優先課題を本土の防衛と位置付けるとともに、北極から南米に至る西半球全域でのアメリカの利益と防衛に対する任務を最優先すると記しています。

最大の競争相手とみなす中国については、「対立ではなく力によるインド太平洋での抑止」を掲げ、「衝突の回避と緊張緩和に焦点を当て、中国軍とのコミュニケーションの範囲を拡大する」と明記しました。

ただ、台湾への言及はなく中国を刺激しないよう配慮した可能性があります。

その一方、「中国を含むいかなる勢力も、我々や同盟国を支配できないようインド太平洋地域での力の均衡を実現し、目標達成に必要な軍事的な条件を整える」などとして日本を含むすべての同盟国に対しGDPに占める防衛費の割合を5%に引き上げるよう求めました。

これにより「同時多発的な侵略に直面しても敵対勢力を抑止し、撃破する戦力を展開させることが可能となる」とも説明しています。

さらに北朝鮮については「アメリカにとって重要ではあるがより限定的な支援」との明記にとどめたほかロシアに関しては「我々がヨーロッパに関与し続ける一方で、本土の防衛と中国への抑止を優先させなければならない」として関与の縮小を示唆しました。

「国家防衛戦略」では、「ルールに基づく国際秩序といった空想的な抽象概念を守るという自己満足的な公約に浪費してきた」などと歴代政権の対応を非難するとともに「必要とあれば戦争に臨み、勝利する覚悟だ」と訴え「力による平和」を強調しています。