1月は詐欺被害が急増する傾向にある。
「1カ月ぐらい前、家に電話で『警察です』って。『拾得物取り扱い課ですが何か落とされませんでしたか』、とかかってきたんです」と59歳の女性。
たまたま息子が家の鍵を落としていたため、見つかって連絡が来たと思ったそうですが、「警察からわざわざ一人一人に落し物の連絡くれるのかな…『何か落とされた?』っていう言い方もおかしい」と違和感を覚えたという。
「それってどこの警察からですか?と聞いたら切られました。その後すぐに家の近くの警察に電話したら『詐欺です。そういう連絡は絶対しません』と言われました」
他にも、「ドコモのキャンペーンで1億円が当たった」という電話でプリペイドカード購入を指示され、番号を教えてしまった人や、「近くで工事している者ですが、屋根の瓦が割れている」と訪問され、1万2000円での修理を持ちかけられた人など、様々な詐欺被害の事例が報告されている。
■「なぜ年明けに詐欺が増えるのか?」詐欺ジャーナリストが解説
詐欺・悪徳商法ジャーナリストの多田文明さんによると、「年末年始、特に年始は詐欺師はお休みする」という。
その理由は、「高齢者の家にお孫さんとか皆さんが帰省されているので、詐欺がしづらい」からだそう。
そして「皆さんが帰った後、高齢者の方は寂しい。そこに詐欺の電話等がかかってくる」と説明する。
詐欺師たちは、高齢者の心理的な隙を狙って活動を再開する。

■「カニカニ詐欺」に注意!代引きで届く粗悪品
多田さんが警告するのが、「カニカニ詐欺」と呼ばれる新手の詐欺です。ある日、突然代金引換え便でカニが届き、高額な料金を請求されるというもの。
70代の女性が1万9800円の代引きでカニを受け取った事例が紹介されました。女性は「おじいちゃんが注文したのかな」と思い支払ってしまいましたが、後日確認すると注文した覚えはなく、届いたカニも「中身はスッカスカで味もイマイチ」だったという。
多田さんは「非常に値段に見合っていないような粗悪なカニを送ってくる」と指摘。
なぜそのお宅に送られてきたかというと、「ネットショッピングの利用などで名簿が漏れている可能性がある」と説明する。
特に「海産物を過去に買った経験がある方」は「狙われやすい」という。

■カニカニ詐欺への対策法
対策としては、以下の3つのポイントが重要だ。
1. 代金引きかえ便の場合 → 一旦断る!
多田さんは「身に覚えがなければ払わない」と強調。「家族が注文したのかな」と思って払ってしまうことが多いが、「代引きの配達業者にお金を渡してしまうと、その前に発送代行会社というのがいて、そこにお金が行ってしまうので取り戻すのは難しくなる」と説明する。
まずは再配達をお願いして、家族に確認しよう。
2. 電話がきた場合 → その場で断る!
電話でカニなどの勧誘があった場合、「口約束でも契約が成立してしまう」ため注意が必要。特に「結構です」という言葉は避けるべきだという。多田さんによると「悪質業者はすごくポジティブ」で「それは送っていいんですね」と解釈されてしまう。
「いりません、お断りします」とはっきり言うことが大切だ。
3. 請求書の場合 → 勝手に食べてOK
驚くべきことに、請求書が同封されている場合は「勝手に食べてOK」だといいます。2021年の特定商取引法の改正により、「注文していないものが送られてきたら、すぐに処分してよい」ことになったそうだ。
ただし多田さんは「詐欺のものはまずいんです」と冗談交じりに付け加えている。

■SNSを利用した「ロマンス詐欺」の実態
次に紹介されたのは、FacebookやXなどSNSを使った「ロマンス詐欺」。
70代の夫を亡くした女性がFacebookで趣味のガーデニングについて投稿していたところ、同年代を装った男性から「お友達になれたら光栄です」などとメッセージが届きます。病院に入院中で余命わずかだという男性と趣味の話で意気投合し、1カ月ほど交流を続けていた。
やがて男性から「身寄りがなく、遺産を譲りたい」と持ちかけられ、海外からの送金手数料として10万円を振り込んだところ、次々と理由をつけて請求され、最終的に数百万円を騙し取られたという。
多田さん自身のFacebookにも同様の詐欺メッセージが「毎日のように来る」という。
実際に詐欺師とやり取りした際には、「1億5000万円を譲りたい」という話になったものの、電話番号を聞いて実際に掛けてみると「通じない」状況だった。
詐欺師は「末期がん」を装い、顔の写真まで送ってきますが、それも「他のネット記事から盗用した写真」だと多田さんは明かしている。

■ロマンス詐欺への対策
多田さんは「まず手口を知っておいてほしい」と強調します。ロマンス詐欺は主に以下のパターンがある。
1. 荷物の配送や遺産相続を口実に手数料を要求
2. お金が儲かるという偽サイトへの誘導
「お金の話が出たら詐欺」と考えるべきだという。
「お金を送りたいから手数料をください」と言われた時点で、「お金くれるんやったら、そのお金から手数料ぐらい払えますやん」と思うのが普通ですが、詐欺に遭う高齢者は「最後の恋」として相手に恋愛感情を抱いてしまい、「相手に対しての反論ができない状態」になってしまうのだという。

■固定電話を狙う「自動音声詐欺」の実例
最後に紹介するのは、固定電話にかかってくる「自動音声詐欺」。
街の人によると「固定電話は8〜9割が詐欺電話」、「日に2〜3回は鳴る」という状況だという。
【番組スタッフの自宅にかかってきた詐欺電話】「こちらNTTからの重要なお知らせです。現在お客様がお使いの電話サービスに問題が発生したため、このまま放置されますと2時間後にご利用停止となります。ご相談窓口をご利用の方は“1”を押してください」
多田さんによると、“1”を押すと「オペレーターといわれる人が出てくるんですが、これは詐欺師です」と説明。
最終的に「口座が凍結されている」などと言って、警察を名乗る詐欺に移行するパターンだという。

■自動音声詐欺の対策方法
固定電話の詐欺への対策としては、
・知らない番号は留守電で確認
・心当たりのない自動音声はすぐ切る
・非通知電話は取らない
多田さんは「自動音声ガイダンスだと、どうしても人の声じゃないので、安心して聞いてしまいがち。気をつけてほしい」と警告する。
「本当に大切な用事はきちんと封書で来ることが多い」ので、怪しいと思ったら迷わず切るのが一番の対策だ。

■不審な連絡には反応しない
年明けの1月は詐欺が多発する時期。
特に高齢者が帰省家族と過ごした後の寂しさに付け込む詐欺が増加する。カニなどの代引き詐欺、SNSを使ったロマンス詐欺、固定電話の自動音声詐欺など手口は多様化しているが、基本的な対策を知っておけば被害を防げる。
不審な連絡には反応せず、お金の要求には警戒し、家族で情報共有することが大切だ。
(関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」2026年1月20日放送)

