石川県七尾市の複合施設「パトリア」の運営が危ぶまれている。その理由は市議会が「パトリア」の運営会社に待ったをかけたためだ。いったい何が起きているのか取材した。
1票差の否決が招いた運営危機
JR七尾駅前にある複合施設「パトリア」。駅前の一等地にあるこの施設には1階にドン・キホーテ、2階にニトリといった大型テナントが入り、多くの人が訪れている。ところが現在、この施設の運営に「待った」がかかっているのである。

市長が提出したパトリアの指定管理者契約延長の議案。「以上の案件は原案否決されました」2025年12月、七尾市議会は賛成8、反対9の1票差で否決。パトリアの現在の運営会社が2026年4月以降も指定管理者となることを認めなかった。このため市側が新たな指定管理者を提案するか、議会側を説得しない限り4月以降、パトリアが運営できない状態になっているのだ。

街で話を聞くと「パトリアが無くなったら、あんまり行く場所が無くなるからどうしようかと思いますけど」「郊外、郊外って人が取られているなかで、どうやってパトリアを生かすかを優先的に考えると、そういうくだらない、管理者が適当じゃないからとか頭固い人たちいっぱいおるなと思います」などという声が聞かれた。
「責任を感じてもらいたい」
議案を否決された七尾市の茶谷市長は、議会側に責任があると指摘した。「議員さんたちが否決したので、議員にしっかりと責任を感じてもらいたいなと思っています」
一方、議案に反対した山崎智之市議は「決算書類で分からない疑問っていうのが出てきたので、それを議会を通じて再三再四説明を求めたんだけど、結局この採決に至るまでその説明がなかったということです」と話す。

2025年度、七尾市は運営管理料として約1億円を指定管理者に支払っている。山崎市議は、この詳細について市に説明を求めたものの、これまでに説明がなく、運営の実態が分からないため契約の延長を認めることができなかったと主張した。
運営会社側の主張
パトリアをめぐっては2019年2月、当時の運営会社が18億円の負債を抱え破産。ほとんどのテナントが撤退する危機に至った。この時、第3セクターだった運営会社の経営が一時、問題視されていた。その後市が建物を買い取り、市が出資する「創生ななお」が指定管理者として運営を行ってきた。
議案に賛成した成田達弘市議は「入場者数とかそういうものも増えていますし、本当にこまめにイベントをやったりしていましたから。そういうものの中で、少しずつ数字も伸ばし、実績も示してきた」と話し、創生ななおがパトリア再生に貢献してきたと評価。運営実態についても市に報告しているはずだと主張した。

これについて創生ななおの吉田一翔社長は「創生ななおとしては全て情報をオープンにして、執行部と連携を取っておりますので、何か不透明な部分があるとか、情報を隠しているという事実は一切ございません」と話し、今後も管理を続けていくことに意欲を示した。市の担当者は議会に対する説明が十分ではなかった部分があるとして、議会側と対応を調整中だという。1月13日の本会議ではパトリアの件は一切触れられず、市は2月の議会で改めて議案を提出する見込みで、その内容と議会側の対応が注目される。
(石川テレビ)
