10月22日、自身が率いる石破派の臨時総会で派閥会長を辞任する意向を表明した自民党の石破茂元幹事長が、フジテレビの「Live News イット!」に生出演し、辞任の背景と今後の自身の政治活動について語った。
自分で何日も何日も幾晩も寝ないで考えた
冒頭、加藤綾子キャスターは石破氏に「9月の自民党総裁選挙で負けた責任を取って辞任するというが、所属議員から止められることはなかったのか」と尋ねた。石破氏は「誰が何を言ったかは言わないが、非常に残念だ、寝耳に水だ、ショックだと、何とかならないかみたいな意見は頂いた」と述べた。
加藤キャスターが「会長辞任は1人で決めて周りには伝えなかったのか」と問うと、石破氏は「それは伝えることじゃない。自分で何日も何日も幾晩も寝ないで考えた」と、1人で熟慮しての決断だったことを明かした。
この記事の画像(4枚)そして加藤キャスターは、総裁選で最下位という敗北を喫したことを受けて派閥会長を辞めるということは、これまで目指してきた総理大臣の座を諦めたということなのかどうかを尋ねた。これについて石破氏は次のように述べた。
石破茂元幹事長:
そんなことは誰も言っていない。自民党というのは国民政党なんだから、イデオロギー政党ではないんで。同じ自民党の中で憲法をめぐって、安全保障で、社会保障で、財政で、いろんな意見がある。自民党はこうあるべきだということも私は、自民党は党員のもの国民のものであって国会議員のものではないと思っているので、いろんな意見がある。それを国民の前に示してその判断をあおぐのが自民党。そうあるべきだという考えは変わっていない。
さらに石破氏は、「水月会(石破派)のような集団が政策を考えて発信していく、そういう集団は自民党の中に必要だと。水月会を解散するということではなく、私が水月会を辞めると言ったわけでもない」と強調し、今後も派閥の一員として政策発信に関わっていく考えを示した。
菅政権を支える1人として 石破氏の政治姿勢
その上で石破氏は、菅政権との関わりを踏まえ、総理大臣の座を諦めたのかという加藤キャスターの問いに次のような言葉で答えた。
石破茂元幹事長:
問題は今、菅政権ができたばかりなんですよ。来週から国会が始まるわけですよ。そういう時点で、はい私は来年(総裁選を)やりますとか、これから先もどうですって…。当面国民のために働く菅政権なんでしょ。みんなで支えるのが当たり前でしょ。そういう時に来年こうしますとか、これから先はこうとか、来年のことも言えないのにこれから先のことなど、私は言えるべきことではないと思いますがね。
こう答えた石破氏に対して、加藤キャスターが改めて今後の政治姿勢を質した。
加藤綾子キャスター:
みんなで(菅政権を)支える1人として石破さんも支えていく覚悟ですか。
石破茂元幹事長:
それは自民党員として当然のことですね。
加藤綾子キャスター:
その先に総理大臣を目指すというのは変わらないということですか。
石破茂元幹事長:
それは手段であって目的ではない。目指すとかそういうことではない。国会議員の目的はみんなが総理になることではないでしょうよ。何を実現するかであって、目指すとか目的としてとか、それを今の時点で言うのは不謹慎なことだと思う。
石破氏はこのように述べ、引き続き総理大臣を目指すかどうかについては明言を避けつつ微妙に含みを持たせた。
野党との連携や離党は…?
番組コメンテーターのジャーナリスト・柳澤秀夫氏は、石破氏に今後野党との連携や自民党を離党しての新党結成なども視野にあるのか尋ねた。これについて石破氏は次のように述べた。
石破茂元幹事長:
私は自民党をこう変えると申し上げてきた。そして(総裁選の票数が)ああいう数だったけども、党員票でもフルの総裁選だったら数字も違っていたんでしょうよ。自民党をこう変えんだと主張してきた。それでだめでした、はいよそに行きますというのはおかしくないですか。
さらに石破氏は、自民党が野党に転落した時代にも政調会長や幹事長として政権復帰に向けて取り組んできたことを強調し、「それを実現できない、もうやめた。野党と連携、それは政治家の生き様としてどうなんだろう。日本の国にとってどうなんだろう。自民党をどうするかに期待をもってくださる党員・国民が大勢いることを忘れてはいけない」と述べ、離党や野党との連携に動くことを明確に否定した。
(フジテレビ政治部)