熊本の誇り、17年連続38回目の春高全国出場の鎮西バレー部は2025年の代表決定戦も危なげなく突破し、春高全国への切符を手にしたのだが…。
熊本を代表する鎮西高校バレーボール部。優勝候補の筆頭として注目を集める彼らは、3年生の岩下将大と2年生の一ノ瀬漣というダブルエースを中心に、既に夏のインターハイと国民スポーツ大会の2冠を達成。
恩師・畑野久雄監督との突然の別れ
「練習中も椅子置いてあるじゃないですか。いてもいなくてもやることは変わんないのは分かってるんですけど、本当にいないのかなっていうか...」
「頑張らん人間はね、可能にはならん。よう自覚してやっていけ」と選手たちに語りかけるのは、鎮西高校バレーボール部を率いた畑野久雄監督。
その指導のモットーは「当たり前のことを当たり前に」。厳しくも愛情を持った指導で、鎮西高校の"エースバレー"の礎を築き上げてきた。しかし、2025年11月24日。畑野監督が心臓疾患のため80歳で亡くなった。

今大会、鎮西史上初となる三冠をかけて戦う選手たち。 岩下将大選手は、監督への思いを「やっぱりいつも通り、『ポカをするな』って言われるんじゃないかなって思うので、そこは多分自分も含めチームのみんな分かっていると思うので。そこをちゃんと肝に銘じながらやっていきたいなっていう風に思います」と語る。
それでも彼らは、確かな信念を持って練習に励んでいる。
「頑張った証で、努力した証で、自分が望んでいることが可能になってくるんだよ」
51年の指導歴で掴んだ10回の日本一
51年にわたる指導者人生で畑野監督が掴んだのは、10回の日本一という輝かしい実績。
その喜びの瞬間を共に味わってきた教え子たちは数知れない。
「今まで教わった、ミスをしないだったり当たり前のことを当たり前にするっていうプレースタイルを持って、三冠を取ったところを見てもらいたいです」という。
名将の教えに答えを出す、春高。
鎮西バレー部に浸透しているのは「当たり前のことを当たり前に」という理念。

長きにわたる畑野監督の指導のもと、鎮西高校バレーボール部は輝かしい歴史を刻んできた。今、その集大成として史上初の三冠を目指す彼らの挑戦が始まる。
練習中も置かれた監督の椅子。それは不在を示すものではなく、むしろ常に彼らを見守り続ける存在の象徴なのかもしれない。「当たり前のことを当たり前に」という言葉。それは単なる指導理念を超え、鎮西バレーボール部の魂となっている。
17年連続38回目という驚異的な春高全国出場を誇る鎮西高校の次なる挑戦。
畑野監督の教えを胸に、選手たちは三冠という新たな歴史を刻むべく、コートに立つ。
その鎮西は3回戦まで順調に勝ち上がると1月8日の準々決勝で東山(京都)と優勝候補同士の対決。2年生エースの一ノ瀬は22得点の活躍!チームとしても[当たり前のことを当たり前に]畑野久雄監督の教えを大舞台で体現し第1セット・第2セット共に大接戦となるが鎮西はあと一歩及ばず敗退(25-21・29-27)。
試合後のミーティングで全国大会を率いた宮迫竜司監督は「3年生は頑張った。意地も見せた。2年連続ベスト8。この壁をぶち破れるように1年生も2年生もしっかりやって欲しいと思う」と選手達に話しをした。
さらに「一ノ瀬が(次の)キャプテン」と、新チームのキャプテンとして一ノ瀬漣を指名。
鎮西の次なる戦いが早くも幕を開けた。
