静岡市で宇宙食の開発に情熱を注ぐ少女。困難に直面しても企業のトップに熱意を伝えることで
自ら局面を打開した。
静岡みかんが宇宙食に?
静岡市清水区に住む増田結桜さん(14)。
自室の本棚には何百冊もの宇宙関連の本が並んでいるほか、宇宙飛行士が着用するスーツのレプリカや天体望遠鏡などがあり、まさに宇宙一色だ。
その彼女が取り組んでいるのが”静岡みかん”を使った宇宙食の開発。
思いを馳せるきっかけは
学習塾で宇宙について学んだことがきっかけで小学4年生の時に宇宙への興味を抱くようになったという結桜さん。
「宇宙食の仕事は宇宙飛行士に元気と笑顔を届けられる仕事だということにすごく感動した」と、宇宙食の開発に携わる研究者のインタビュー記事を読み同じ道を志すようになった。
そして、5年生の時には未経験ながら宇宙で食べられるゼリーの開発に着手。
試作は300回以上にも及び、結桜さんがこれまでに記したノートには試行錯誤の跡が残されている。
時には挫けそうになることもあったが、尊敬する宇宙飛行士・若田光一さんの存在が心の支えとなり、結桜さんは「すごくかっこいい。言葉ひとつひとつが素敵というのと、パッチリ二重が好き。『人の価値は努力の量で決まる』というのが一番印象に残っている。若田さんに認めてもらいたい、そんな感じ」と照れくさそうに笑った。
夢の実現に向けた協力者
3年前には社会人や大学生を巻き込んだプロジェクトチーム「チームゆら」を結成。
クラウドファンディングで開発資金500万円を集めた。

メンバーのひとりは「商品開発にはもともと興味があって、普段生活していたらあまり関わることのない宇宙食の開発に挑戦している結桜ちゃんを知って私も何か力になれないかなと思ったのがきっかけ」と口にし、別のメンバーは「自分が結桜ちゃんの年齢で同じことが出来ていたのか考えると絶対私にはできなかったので尊敬している」と打ち明ける。
ただ、実際にゼリーを製品化しようと動き始めた矢先、「(企業の)問い合わせフォームに『みかんゼリーの製造をお願いしたい』と送ったものの、自動返信しか返ってこなくて、はじかれてしまった時が一番心が折れて苦しかった」と振り返る。
それでも諦めることなく一縷の望みを託して手紙を送った先が宮城県で宇宙食も製造している備蓄食品の製造会社・ワンテーブルだった。
この時の出来事はワンテーブルにとっても強く印象に残っていて、森川喜久美 専務は「静岡に住む中学生の女の子が3枚にわたって手書きで手紙をくれたことにすごく驚いた」と話す。
その熱意が伝わり製品化が決定。
結桜さんのこだわりと宇宙食の製造を通してワンテーブルが蓄積してきたノウハウを掛け合わせて大きな一歩を踏み出すことができた。
一歩一歩着実に
現在は日本人宇宙飛行士が宇宙ステーションに長期滞在する際のストレス緩和などを目的にJAXAが認定する宇宙日本食への認証を目指している「チームゆら」。
この日はみかんゼリーの開発に向け研究をサポートしてくれた大学でこれまでの成果を報告。
「小学生の頃からの夢である宇宙飛行士が幸せになる宇宙食を作る人を目指すことで宇宙ビジネスに参入したいと考えている多くの若い人たちに活力と勇気を与えていきたい」と意気込みを語った。
自分が大好きな静岡のみかんを宇宙へ。
結桜さんの挑戦はいよいよ最終章に差し掛かっている。

「大きい一歩ではなく地道に日々一歩一歩着実に努力していく年にしたい。3年以内には私たちのゼリーを宇宙に飛ばしたい」
(テレビ静岡)
