「うま年」駆け抜ける!愛媛の馬たちが魅せる伝統と命のつながり

2026年、「うま」年がスタート。主役である愛媛の「馬」たちも、さっそく新しい年を駆け抜けていく。

青木稜悟記者(午年):
「ことしは『うま年』ということもあって、今治市菊間町のあの恒例行事も年始から活気を見せています」

乗り子の掛け声:
「あ~い!あ~い!」

速いときで時速60キロ。風を切って駆ける馬にまたがるのは地元の小中学生だ。五穀豊穣を願う『お供馬の走り込み』は、600年以上の歴史を持つ県の無形民俗文化財。その舞台となる今治市菊間町の加茂神社で2日、新春恒例の『乗り初め』が行われた。子どもたち10人ほどが馬に乗り、鳥居から境内までの約300メートルを何度も駆け抜ける。

うま年ならではの『変化』も

乗り子(中1):
「楽しかったです。風も気持ちよくて」

乗り子(中3):
「久しぶりにやってスピードも結構あって怖かった。結構速かったので(馬は)元気あると思う」

この日は競馬を引退した馬など12頭が集結。主催した菊間愛馬会の会長は、うま年ならではの『変化』を感じているという。

菊間愛馬会・渡部孝弘会長:
「(うま年ということで)(馬も)ちょっと元気を出しとるいうかね、餌をようやっとる気がして。うま年のときには(観客が)多いですよ。3倍くらいは増えてるんじゃないですかね」

観客は、300人以上。乗馬体験や餌やりなど、走った馬とのふれあいも楽しんでいた。

ふれ合った児童3人組:
(Q.お馬さんは好きですか?)
「好きです!」
「迫力があってすごかったです」
「(触って)柔らかかったフワフワでした」
「めっちゃかわいかった」

走った馬とのふれあいも
走った馬とのふれあいも
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今治発祥「野間馬(のまうま)」は小さくても力持ち

小さくてかわいらしいお馬さんにまたがるこどもたち。今治市野間の「のまうまハイランド」では、うま年最初の営業日だった4日、朝のオープンとともに県の内外から家族連れが訪れた。

子ども:
(Q.お馬さん乗ってみてどうだった?)
「楽しかった」

子ども:
「なんか落ちそうだった」

子どものお父さん:
「やっぱり今年は『うま年』なので馬にあやかろうと思って子供たちを乗せに連れてきました。」

年男のお父さん:
「僕、年男なんで、『うま年』なので、ちょっと来ました。縁起のいい年明けになったと思いますね」

家族連れがのまうまにあやかる
家族連れがのまうまにあやかる

「野間馬」ってどんな馬?

来場者が触れ合った「野間馬」そもそも、どんな馬かご存じ?

名護谷希慧アナウンサー:
「お、いますね、こちら、野間馬!やっぱり小さくてずっしりとしていますね」

野間馬は、日本に昔から住んでいる馬(=在来馬の一種)で、そのふるさとが、今治市。のまうまハイランドでは、現在、56頭がのびのびと暮らしている。

飼育員・木村駿介さん(飼育歴9年・地元出身):
(Q.野間馬ってどんなお馬さんですか?)
「首が太くて、足が短めで、穏やかな性格なので人でもすごく扱いやすいお馬さんです」

一番の特徴は、ずんぐりむっくりとしたこの体格。大人になっても体高は120センチほどと在来馬の中で最も小さく、温厚な性格や体の丈夫さからかつて、江戸時代には、田や畑を耕したり荷物を運んだりと、今治の農家とともに暮らしてきた。

小さくてずっしり
小さくてずっしり

大人ひとりぶんより重い荷物を運んでいた

飼育員・木村駿介さん:
「当時のまうまが農家で運んでいた重さを再現したものになります」

名護谷アナウンサー:
「よいしょ、え?え?ん!(なかなか持ち上げられない)ちょっと浮いた。すっごい重たいですね、何キロですか?」

飼育員・木村駿介さん:
「約70キロの荷物を運んでいたといわれています」

名護谷アナウンサー:
「70・・・大人ひとりぶんより重たいかもしれないくらい」

小さくても力持ちな野間馬。蹄も固くて、蹄鉄をつける必要がないのも特徴だ。

名護谷アナウンサー:
「小さな子がいますよね?あの子は赤ちゃん?」

飼育員・木村駿介さん:
「10月28日生まれの赤ちゃんです」

去年10月に生まれたばかりの男の子、利久。元気いっぱいに駆けまわる。

名護谷アナウンサー:
「あれは遊んでるんですか?」

飼育員・木村駿介さん:
「そうですね、遊んでくれって寄っていって、ちょっと嫌がられてます・・・(笑)この地域の昔から飼われていた馬なので、やっぱりこの地域で増やしていきたい、残していきたいっていう思いも強いので」

元気いっぱいに駆け回る利久
元気いっぱいに駆け回る利久

野間馬の繁殖はのまうまハイランドだけ

飼育員・木村駿介さん:
「この施設でだけ、のまうまの繁殖もしています」

映像が示しているのは、昭和53年、1978年に今治市にやってきた野間馬の歓迎会。というのも、明治政府が軍馬育成のため小型の馬の繁殖を禁止したり、昭和に入り、農業用の機械や自動車の普及が進んだりしたことで野間馬の数は激減。一時、日本国内でたった6頭と絶滅の危機に瀕した。そのうちの4頭を飼育していた松山市の長岡悟さんが(当時49歳)昭和53年、1978年に「発祥の地で末永く育ててほしい」と今治市に寄付した。

これをきっかけに地域の宝として、野間馬繁殖の取り組みが始まった。のまうまハイランドでは、今治市の指定文化財でもある野間馬をより多くの人に知ってもらいたいと、全国の動物園などに野間馬の貸し出しも行っている。

野間馬を1頭でも多く
野間馬を1頭でも多く

うまのように駆け抜けたい

のまうまハイランドで一番のご長寿、はるせちゃんは、32歳。平均寿命が25歳から30歳とされる中、みんなで大切に育ててきた証だ。

いよいよ始まったうま年の一年。みなさんはどんなふうに駆け抜けたいですか?

うま年に期待する人々:
「仕事も育児も家事も忙しいので、馬のように日々を駆け抜けていきたいと思います」
「自分の目標を徐々に叶えて行きたいと思っています。係長はまだ難しいけど、今後将来近づけるように努力してまいります」
「運動不足だったので、馬さんのように軽やかに動けるようになっていきたいと思います」

最年長のはるせちゃん32歳
最年長のはるせちゃん32歳

なにごとも「ウマ」くいく1年を

うま年に期待する人々:
「ちょうど苗字にも馬が入ってるんで」
(Q.苗字は?)
「ウマコシです。ちょうど色々重なってるんでいい年にできたらなと」

飼育員・木村駿介さん:
「野間馬を絶やさないように、これからも保存していって、地元のかわいい野間馬、『野間』という名前(地名)のついた馬なので、たくさんの方にこれからも見に来ていただけるとうれしい」

名護谷アナウンサー:
「ならではの馬ですもんね」

2026年、うま年。愛媛で暮らす馬たちがこれからも健やかであるように。そして、愛媛に生きるみなさんとともに、馬のように力強く、しなやかに。なにごとも「ウマ」くいく1年を駆け抜けられるように。

馬のように力強く、しなやかに
馬のように力強く、しなやかに
テレビ愛媛
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