1月5日から2週間にわたって、「午年を翔ける 今年に懸ける」と題して2026年に飛躍が期待される方々を紹介します。初回は能登半島地震から2年。移住先の浜松で奮闘する栗農家の男性です。

静岡県浜松市に住む松尾和広さん(51)。

2024年の“あの日”、人生が一変しました。

松尾和広さん(2024年7月):
ガシャンガシャンと音が聞こえてくる。玄関の裏に物置小屋があり、そこに食器棚などがあって、仕事道具も棚に入れてあったので倒れてきているなと

石川県輪島市で栗農家を営んでいたものの、作業場も兼ねていた自宅が全壊。

今後の生活を考えた結果、移住を決断しました。

松尾和広さん(2024年7月):
家族全員が安心して暮らせる環境を探す方が大事で、自分の栗などにはこだわらず、これは仕方ないと思った

移住先に浜松を選んだのは菓子メーカーの春華堂と以前から親交があったことがきっかけで、現在は遠州地域で採れる和栗のブランド化を目指すプロジェクトに参画。

これまでの経験を活かし、能登でも評判だった焼き栗の加工を担当しているほか、農家に対して栗の育て方についてアドバイスを送っています。

この日は新たに栗の栽培に取り組む人たちに向けた講習会に参加。

松尾和広さん:
(遠州地域で)500本以上の苗を植えたが、100本ほど枯れた。自分に自信を持っていたがこちらで育たない理由があって、日本全国、通用するわけではないんだなと。いろいろなことがわかってきたのでそんな話もさせてもらいたい

能登での経験、それに静岡へ来て以降、試験的に育てている栗の木から得た知見も踏まえて苗木をどのように管理するべきか説明しました。

和栗プロジェクトでは新たなスイーツの開発にも取り組んでいることから栗を買い取る体制が整っていて、最近では他の作物と並行して栗を育てる人が増えていると言います。

参加者(野菜農家):
今までは野菜やイチゴを作っていて(栗は)果樹とは少し違うが、土の働き・微生物・肥料のことなど深く勉強されていて参考になった

参加者(お茶農家):
根を大事にするというのはお茶と通じるところがあって、同じ木を栽培してきた中でそれが勉強になったというか、改めて思い知らされた。

松尾和広さん:
これから始める人たちにとってより確率の高い、ちゃんと育つ成功方法を伝えられるようにしたい

松尾和広さん:
田んぼの跡地で水はけが悪く、大雨が降ったら水たまりができて、根が酸欠になって死んでしまう。いっぱい枯れた場所

ただ、生産者が増えても栗に適した畑が少なければ栽培面積は増えていきません。

このため、水田や茶畑の耕作放棄地を栗畑へと転用できないか試験や研究を重ねています。

松尾和広さん:
自分だけの事業ではなく指導・アドバイスする立場なので、僕の言動ひとつで成功するか失敗するかに大きく関わってくるので、ちゃんと正しい知識を伝えられるようにめちゃくちゃ勉強している

一方、松尾さんが和栗プロジェクトに参画したことを機に、春華堂が加工用に能登の栗を仕入れてくれるようなり、かつて自分を成長させてくれた地との架け橋にもなっています。

松尾和広さん:
僕が買っているわけではないが橋渡しという役目なので、僕がやめたらパイプがなくなってしまうので「やめないでね」と言われる。「僕らのためにもやめないで」と

目標は遠州の地に孫の代まで続く栗の木をたくさん残していくこと。

そのためにも飛躍の1年にしたいと意気込んでいます。

松尾和広さん:
僕は栗だけで19年やってきて、栗を育てて売らないことには生活できない人生を19年送ってきた。個人でやってきたので、大事なのは生活費を稼げるかどうか。絶対に農家が儲かるということに関してはぶれない。その方法はこれからも考え続けてアドバイスできるようにしたい

テレビ静岡
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