マイページ
『神主資格』持つ“即戦力”大歓迎 深刻な人手不足で神社が神主の求人募集 ボーナスや休みもしっかり【福岡発】|FNNプライムオンライン
さあどうする? 全国各所「困った」事情

『神主資格』持つ“即戦力”大歓迎 深刻な人手不足で神社が神主の求人募集 ボーナスや休みもしっかり【福岡発】

Google ニュース プリファードソース

新年を迎え全国の神社が初詣の参拝客で賑わう中、各地の神社では、今、深刻な人手不足に直面している。特に、地方では、知恵を絞り、あの手この手で他の地域から“即戦力”となる人材確保を目指している。取材した。

“奇跡”の鳥居再建も悩みは人手不足

福岡市西区にある『姪浜住吉神社』。毎年、初詣には地域の人達を中心に3万人ほどが訪れる。創建は、約1300年前の奈良時代。

この記事の画像(14枚)

2005年には、福岡県西方沖地震でシンボルの大鳥居が倒壊する被害を受けたが、“神様のご加護”で復興したことでも知られている。

神様のご加護とは、なんと、宮司の菊池友久さんが、被災後に出演したテレビ番組『クイズ$ミリオネア』で全問正解を果たし、賞金1000万円を獲得。

その賞金で、被災した鳥居を見事、再建したのだ。

「20年前の2005年に、『クイズ$ミリオネア』に出演させていただき、パーフェクトを取った時の小切手です」と話す菊池さん。当時を思い返しながら記念の“小切手”を記者に示してくれた。

これまで様々な苦難を乗り越え、地元の人達に親しまれてきた姪浜住吉神社だが、最近、宮司の菊池さんを悩ませているのが、深刻な人手不足だ。

地域に根差した神社として、普段の祈願に加え、毎月のように祭りを開催しているが、神社に常駐しているのは、菊池宮司夫妻と非常勤職員の僅か3人。菊池さんが還暦を迎えることもあり、後継ぎを見つけなければ、今後の運営が難しくなると危機感を強めている。

「神主募集」資格持つ“即戦力”歓迎

人手不足に悩む菊池宮司が踏み切ったのが、『神主の公募』だ。『神主募集』の貼り紙には、「神主として活躍下さる方を募集しています」と書かれている。

募集要項をよく見ると、即戦力となるように「『神職資格』を持つ30代までの男性。初任給は20万円から」とある。

更に、『待遇・福利厚生』の詳細は、以下の通り。

・昇給(2年に1回、人事評価による)

・賞与(年2回支給、神社業績による)

・保険(健康保険、雇用保険、労災保険)

・年金(厚生年金)

・交通費支給(実績精算、上限1万5000円)

『仕事内容』も以下の通り具体的に記されている。

・祈願、祭典、年中行事の対応(正月、夏越、七五三などの準備)

・授与所対応(授与品や御朱印の頒布)

・海洋散骨対応(ご相談・申込対応、顧客管理など)

・境内美化(境内の清掃)

・その他事務など

最近、特に人材確保に重要な『休日休暇』についても以下の通り。

・年間休日110日

・原則月8日休み(シフト制)

・有給休暇(取得時期は要相談)

・慶弔休暇

*年末年始、年間行事期間は勤務必須

『求める人物象』は、「前向きで人と接することが好きな方」「神社の可能性を広げたいとお考えの方」と明確だ。

貼り紙を見た地元の人も「神主って、求人しているんだ。びっくり」と驚きを隠せない様子。そして、「この神社があって欲しいから、誰かいい人がいたら…」と地域の氏神様を守ってくれる新たな人材と「ご縁がありますように」とまさに神頼み。

神職の人手不足は、姪浜住吉神社だけではない。全国的にみても深刻で、神社本庁に登録されている全国約7万8000社の神社の神職は、約2万1000人。福岡でも約3300社に対し、神職は、その5分の1の約600人ほどしかいないのが現状なのだ。

そもそも神職の資格を取るには、國學院大学(東京・渋谷区)や皇學館大学(三重・伊勢市)の専門学部、もしくは全国に6カ所ある養成所に2年間通う必要がある。残念ながら九州には、神職を育成する教育機関がないため、先祖代々、子孫が神社を受け継ぐケース以外、他所から九州の神社に“就職”する人材は、少ないのが現状だ。そのため菊池宮司も人材探しには、ホトホト頭を抱えている。

遂に 応募者現る 更に“男性”を

少子化の影響もあり、神職のなり手が減少する中、「どうにか後継者が現れてほしい」と菊池宮司は、藁にも縋る思いで応募者を待っている。「できれば2人くらい、春頃までに来ていただければ最高かな」と期待を抱く菊池宮司。「いい人来そうですか?」と記者が尋ねると、「それは『神のみぞ知る』ことだと思うので、来てくれるように私も一生懸命祈願したいと思います」と真剣な面持ちだ。

果たして、姪浜住吉神社に新しい“神主さん”は、現れたのだろうか?その後の状況を尋ねると、約1年前から『男女問わず』で募集をかけたところ、2025年夏に、神職資格を持つ女性から応募があったという。その女性は、多忙な時に手伝ってもらう『助勤』として採用され、正月などの行事の際に来て、祈願などを担当してもらっているとのこと。菊池宮司は、「できれば力仕事なども多いので、男性の神職をあと、2人ほど採用できれば」と期待を寄せている。

古くから日本の生活に根差し、地域の人々の心を育んできた神社の存在を今後も絶やすことなく、いかに受け継いでいくか。企業と同様、働きやすい“職場づくり”や積極的な人材育成が大きなカギとなりそうだ。

(テレビ西日本)

テレビ西日本
テレビ西日本

山口・福岡の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。

  • 1
  • 2
関連記事
さあどうする? 全国各所「困った」事情の他の記事
“採用最前線”に人工知能 相次ぐ職場との“ミスマッチ” AI面接官vs記者 住宅営業マンに転職なるか 【福岡発】
“採用最前線”に人工知能 相次ぐ職場との“ミスマッチ” AI面接官vs記者 住宅営業マンに転職なるか 【福岡発】
経済
“蔵内体制”の終焉 次期県連会長は誰に? “しのぎを削る”大物政治家 2人の主導権争い その舞台裏を探る 【福岡発】
“蔵内体制”の終焉 次期県連会長は誰に? “しのぎを削る”大物政治家 2人の主導権争い その舞台裏を探る 【福岡発】
政治
「残高が分からない」鹿児島市のギフトカード7億円が未使用 有効期限は9月30日、“最後の1円”を使い切る方法
「残高が分からない」鹿児島市のギフトカード7億円が未使用 有効期限は9月30日、“最後の1円”を使い切る方法
経済
感染力はインフルの10倍 『はしか』感染相次ぐ 1日に4件感染確認も 9月は既に11件 病院で『抗体検査』が可能  【福岡発】
感染力はインフルの10倍 『はしか』感染相次ぐ 1日に4件感染確認も 9月は既に11件 病院で『抗体検査』が可能 【福岡発】
ライフ
一覧ページへ
×