1月5日に開幕する憧れのオレンジコート・春の高校バレー全国大会に臨む山形女子代表の意気込みを取材した。米沢中央は、全国でも通用する「高さ」を武器に、チーム初の全国ベスト8進出をねらう。
全国に通用する“高さ”でオレンジコートに挑む
10月の山形県代表決定戦の決勝では、序盤から3年生エース・岡崎芽依選手が強烈なスパイクを決めると、1年生も躍動。
小島颯夏(そな)選手がサービスエースでチームに勢いをもたらす。

5年前の2020年から、「県内では1セットも落としたことがない」という山形の絶対女王・米沢中央は、多彩な攻撃を積み重ね、危なげなく6大会連続で全国大会への出場権を手にした。

2025年の米沢中央の最大の強みは、その「高さ」。

2枚看板のスパイクで得点重ねる
全国大会まで3週間を切ったある日。
武器である高さをより生かすため、選手たちはブロックとスパイクに日々磨きをかけていた。

米沢中央の攻撃の要は、2人の3年生。
チームからの信頼の厚い絶対的エース・岡崎芽依(めい)選手。
パワフルで強気なスパイクを、どんなに苦しい状況でも打ち切る突破力が持ち味。

アウトサイドヒッター 168センチ・岡崎芽依選手:
苦しい状況・トスが上がった場面でみんなフェイントに逃げたりするが、自分は“どんなトスでも打ち切る”気持ちが人より強い。
その気持ちでスパイクを打って、点数を取るのが得意。

もう1人は、深澤紅(こう)選手。
最高到達点は2メートル85センチ。チームトップレベルのジャンプ力と、切れ味鋭いスパイクが持ち味。

ミドルブロッカー 171センチ・深澤紅選手:
速さ・高さを生かした攻撃が自分の武器。
ライトからの速い攻撃を大事な場面で決めることで、チームの雰囲気・流れを持ってこれると思うのでそこを意識している。
一方、圧倒的な強さをみせた10月の県代表決定戦だが、課題も見つかった。

石田和也監督:
春高予選の決勝でラリーを相手に取られてしまう場面が多くみられた。
ラリーを制する部分で粘り負けしない、最後に決め切ることが課題。

この日は、レシーブ練習に全体の実に3分の1の時間を割き、何度も何度もボールに食らいつく練習に力を入れていた。
キャプテン中心に全国ベスト8目指す
間もなく迎えるオレンジコートの舞台に向け、特に強い想いで練習に取り組む選手がいた。
それは、キャプテンを務める浦田朋佳選手。
浦田選手は2024年8月、左足の前十字靭帯を断裂する大けがをした。
手術とリハビリに専念し、2025年1月の春高バレー全国大会には出場できなかった。

「『試合にしばらく出られない』と言われた時はかなりショックだった。1つ上の先輩と春高に出られないことも悔しかった」と話す。
懸命なリハビリの結果、2月に練習を再開し、5月に試合復帰。
10月の県代表決定戦では、リリーフサーバーとしてチームの快進撃を支えた。

セッター 167センチ 主将・浦田朋佳選手:
けがをして、コートを外から見るのと中から見るのとではコート内の印象が違った。
選手とコミュニケーションをとることが大切だとわかったので、その経験を生かしている。
石田和也監督は、「チームにとってキャプテンであり、良い先輩であり、良い指導者という部分も持っている」と、浦田選手について語る。

苦難を乗り越え、ひと回り大きくなったキャプテンが、「チームがどんな流れでも、自分が入ることで点をたくさん稼ぎ勝ちに貢献する」と、持ち味の元気と自信でチームの目標・全国ベスト8へと導く。

米沢中央の初戦は1月6日、石川代表の航空石川と対戦する。
さくらんぼテレビでは、男女代表の1回戦の模様を6日午後3時から放送する。
(さくらんぼテレビ)
