岡山・香川の頑張っているアマチュアアスリートを応援する「キラキラアスリート」。今回紹介するのは、バドミントンの社会人選手、柿山柚月選手(26・岡山ガス)と奥山菜月選手(26・J物クラブ)です。
2人は岡山市東区の六番川水の公園体育館で12月6日に行われた岡山県総合選抜バドミントン選手権大会の女子ダブルスで、大会2連覇中の芦田奈美希・奥寺彩乃組(SOGOテクニカル)を2-1で破り、4年ぶりの優勝を果たしました。
なお、男子ダブルスでは、奥山選手の夫・晃輔選手と山崎悠翔選手のペア(ともにJFE物流)が優勝しています。
柿山さんと奥山さんは競技のほか、仕事も子育ても両立する「お母さん選手」。大会の感想の他、家族に支えられながらのバドミントン競技に対する思いなどを聞きました。(撮影と聞き手:OHK岡山放送 西村和子)
Q:総合選抜選手権は2021年大会以来の優勝(22~24年は2位)。決勝戦で大会2連覇中の芦田・奥寺組に勝てた。3ゲームまでもつれこんだ試合だったが、勝てた一番のポイントは
(柿山選手)
「1ゲーム目を取って、2ゲーム目はちょっと流れが悪くなったが、3ゲーム目でもう1回気持ちを立て直して、試合開始時と同じ気持ちでやり直せたのが良かったと思います」
(奥山菜月選手)
「毎年、1ゲーム目は取れたりするが、2ゲーム目からちょっと気持ちが弱くなって、ポンポンっていかれるということが続いていました。今年はそこでミスしないようにしようって言い聞かせて、バドミントンができたのでそれが勝ちにつながったかな」
プレーは悪くないが、2ゲーム目を奪われたのは「気持ちがひいてしまっている」のが原因だったと柿山選手。最終ゲームは好調だった1ゲーム目の感覚に戻って試合を進められたのが良かったと振り返ります。
Q:第2ゲームもそのまま取るかと思われたが、相手に追い込まれタイに。気持ちを2人で切り替えていく中で、何度も戦っておられる相手に対してコートの上ではこういったことを注意してやっていこうなど話をしていたのか
(柿山選手)
「戦術としては1ゲーム目からやっていましたが、やはり2ゲーム目は相手に読まれて、やられてしまうということが多かったので、最後は、戦術は気にせずに、しっかりやろうということでやれました」
Q:観客席からは(柿山さんの息子さんの)かわいい声援が聞こえてきた。バドミントンを続けるなかで、普段は家族からどのような時に力をもらえていると思うか
(柿山選手)
「普段練習を見てもらってるわけではないので、こうやって出場する試合に来て、直接見てもらえて、応援してもらえるのがすごくうれしいなと思っています」
Q:奥山さんもお子さんがいる
(奥山選手)
「6歳と2歳がいます」
Q:お母さんになって、仕事を続けながらの競技だと思うが、練習時間はどのくらい?
(奥山選手)
「旦那(晃輔さん)もバドミントンを一緒にやっていて、家族の協力がすごくあって、私のお母さんがすごく(子供の面倒を)見てくれて。その中で毎週平日は2日、土日は休みができたらいいなという感じでなんとか練習時間を作っている。家族の協力があってなのですごくありがたいです」
Q:子育て真っただ中、可能な限りバドミントン競技を続けられると思うが、これからの抱負は
(柿山選手)
「この大会で優勝することを目標でやってきたので、これからの目標はまた立てていけたらいいかなと思ってます」
(奥山選手)
「この(決勝戦の)試合が一年の最後の試合になるので、ここでは絶対勝ち切りたいねっていう話はしていた。やっと優勝できて、すごくうれしい。今後どうしていくかは一旦試合がなくなるので、(周囲と)相談して」
(柿山選手)
「家族の協力があれば、また頑張ってもいいかなと思ってます」
2人は倉敷市にある倉敷中央高校の同級生。高校時代は「とにかく毎日、元気だった。体に勢いがあった」と柿山さん。社会人になってもバドミントンを続け、高校生ら若い選手との試合が多くなると、相手選手の特徴に応じて苦手と思われるコースを狙うなど、高校時代からプレースタイルが変化しているそうです。
結婚・出産を経て、家族などの理解のもと、特に週末は練習場所を探しながら続けているという2人。岡山県内には女子選手が少なく、練習相手が男子選手ということも少なくないそうですが、中学生・高校生にもひけを取らないスマッシュに対する反応はその練習の成果であるように感じられます。
観客席から「がんばれ」「一本!」と“バドミントン通”な声援を送る息子さんの期待に応え、4年ぶりの女子ダブルス制覇。家族の協力に対して「優勝」で恩返し。お母さん選手は笑顔で今季を締めくくりました。