『水俣病被害者手帳』などを持つ未認定患者約3万人が対象となります。
環境省は水俣病被害者に支給される『療養手当』を来年度から約1割増額する方針を固め、26日に閣議決定された予算案に盛り込みました。
【石原 宏高 環境相】
「物価上昇に対して、療養手当の月額1400円から1500円の増額をすることを決め、必要な費用を令和8年度予算案に計上をして、きょう閣議決定された」
26日の会見で、石原 環境相は政府が閣議決定した2026年度の当初予算案に、水俣病の『療養手当』の増額に関する費用を盛り込んだことを明らかにしました。
『療養手当』は1995年の政治解決策で救済された『医療手帳』を持つ人や、2009年の水俣病特別措置法で救済された『被害者手帳』を持つ人に支給されるもので、対象者は未認定患者約3万人です。
「物価上昇に合わせて手当を増額してほしい」との要望がこれまで被害者団体から寄せられていて、熊本県も国に要望していました。
【木村 知事】
「私としてはずっと政府に訴えてきたので、認められてとても感慨深い。患者・被害者・家族が安心して生活できるようにこれからも国・県一緒になってサポートしていくことについての連携を申し上げ、石原大臣からも『一緒に頑張ろう』と答えをもらった」
予算案は年明けの通常国会で審議され、成立すれば、現在、1カ月約1万2900円から2万3500円支給されている療養手当が約1割増額され、月額で1400円から1500円上乗せされることになります。
26日の発表を受けて、水俣病患者連合の永野 三智 事務局長はTKUの取材に対し、「認定患者のCランク相応の『月額7万円』を要望してきたので、それに比べると上げ幅が小さいが、国が増額の努力をしたことについては評価したい。未認定患者と認定患者との間で分断が起きないよう、引き続き要望していきたい」とコメントしています。