羽田空港で起きた海上保安庁と日本航空の航空機衝突事故からまもなく2年を迎えるのを前に、国の運輸安全委員会は2度目の経過報告を公表しました。
去年1月2日、羽田空港で海上保安庁と日航機が滑走路上で衝突し、日航機の乗客乗員379人は全員脱出し無事でしたが、海保機の乗員5人が死亡し機長が重傷を負いました。
国の運輸安全委員会はきょう、2度目の経過報告を公表し、大規模な再現実験を行ったことを明らかにしました。
再現実験はことし3月、中部国際空港で事故当時と同じく月の出ていない日を選んで行われ、海保機の同型機を滑走路上に配置し、小型機やヘリを使って上空からどのように見えるのかを検証しました。
海保機の外部灯火と、滑走路灯が重なったことで着陸する日航機から海保機が直前まで見えなかった可能性があります。
このほか、これまでの調べで、海保機が「ナンバーワン」など管制官からの指示内容を誤認した可能性があることや、管制官が事故直前まで海保機の誤進入に気づかなかったことなど複合的な要因が重なり事故が起きたとみられています。
一方、事故直後、日航機内では、非常脱出の指示が聞こえず座席の近くに留まり続け、機長に発見されて脱出した乗客もいて、拡声器を使った避難指示の伝わり方の検証も行われ分析が進められています。
今後同様の事故があった場合の被害を減らす目的で、拡声器を使った避難指示の伝わり方の検証も行われ分析が進められています。