香港の高層住宅火災から26日で1カ月。

住まいを失い、いまだ多くの人が避難生活を続ける中、新たな問題にも直面していました。

火災で自宅を失った、サム・ソーさんは「私の知っている言葉で言えば無力感と失望です」と話します。

11月26日に香港の高層住宅で発生した大規模な火災。

火は7棟に燃え広がり161人が死亡、2000世帯近くが住まいを失いました。

火災があった現場には今もなお献花に訪れる人の姿が。

状況は、火災当時からほとんど変わっていない様子でした。

火災により7年間、家族で暮らしていた自宅を失ったサム・ソーさん。

サム・ソーさん:
(自宅は)あそこでした。まだ竹の足場が残っているところ。子どもが成長し毎年の誕生日も友達を呼んでこの家で祝いました。

ソーさんは22日に避難先のホテルから、政府が手配した臨時の住宅に家族6人で移りました。

必要最低限の家具は政府や知人から提供してもらったものの、収納家具などないため荷物はスーツケースに入ったままです。

窓のカーテンはクリップで留められていました。

さらに、当初は臨時住宅に無料で住めると聞かされていたものの、政府の方針が二転三転し、2026年の5月から家賃が発生することになったといいます。

サム・ソーさん:
ここに長く住むかどうかも結局は政府次第。いつまた方針が変更されるかも分からないからです。

各地から集まった寄付金などで一定の支援はあるものの、今後、多くの被災者が新しい家賃の支払いと元のローンを抱える見込みで、生活再建のめどは立ちそうにないといいます。

一方、住人の一部は火災が起きる前から修繕工事のずさんさや異常に高い工事費用に疑問を抱き、政府機関などに訴えていたといいます。

しかし、サム・ソーさんは「誰も私たちの声を取り合ってくれませんでした。正直、当初から当局がもう一歩踏み込んでいれば、もっと早く対応できて火災を防げたのではないかと思う」と話します。

火災から1カ月。
被災した住民は不安定な生活を強いられています。

サム・ソーさん:
私たちは本当にどうしていいか分からない。全部取り壊して家を返してほしい。またここに住みたいです。

フジテレビ
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国際取材部
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