ベガルタ仙台は12月25日、郷家友太選手がJ1のヴィッセル神戸に移籍することを発表した。
多賀城市出身の郷家選手は2023年に地元、ベガルタ仙台に帰還。
2025年までの3シーズンで公式戦114試合に出場し、キャプテンにも就任。
2025年シーズンはチームトップの10ゴール、さらに5アシストをマークするなど、高い決定力と献身性でサポーターからも愛され、大黒柱としてチームをけん引してきた。
移籍を発表したその日、県内で自主トレーニングを行った郷家選手。仙台放送の独占インタビューに、今の思いを語ってくれた。
地上波の放送では伝えきれなかったインタビューの全文と、郷家選手の思いの丈をここに掲載する。
移籍を決断した今の気持ち
僕自身本当に仙台でやろうという気持ちはもちろんすごくありましたし、加入した3年前も本当にこのクラブで昇格して一緒にJ1でやりたいという気持ちもすごくあったので、本当にこの3年終わったタイミングで、一度自分の人生を見直す時間を仙台にいただいて。
その中で年齢の部分と、もう一度上のリーグでチャレンジしたいなという気持ちがあって、その気持ちを正直止めきれなかったというか、自分自身を止められなかったのが本音ですね。
悩み、苦しんだ2週間半…そして決断
本当は2週間くらい仙台には時間をいただいていて、その中でもたくさん、というか何個か選択肢があって、本当に決めきれなかったというか。
すぐJ1に行くっていうのは決めきれずに、なんなら3日間ぐらいまた返答期限も伸ばしてもらうくらいすごく悩んで決断したので、本当に軽い気持ちで決めたわけじゃないですし。
本当に仙台には成長させていただいたので、その成長させてくれた分、来年も仙台でやろうという気持ちもありながら、それが 2週間半ぐらい決断するのに時間がかかった理由というか。
本当に苦しかった2週間半だったかなと思います。
決断の理由
本当に先ほども言ったんですけれど、まず僕の目標は仙台と一緒に、ベガルタ仙台と一緒にJ1に上がるというのが第一優先だったので、この3年間で叶えられなくてすごく悔しいし。
後悔ももちろんないようにはしたいと思っていましたけれど、やっぱり絶対あるものだと思うので。
決断した理由は、もう一度J1で自分の力を発揮したい。
自信をつけさせてくれたので、ベガルタ仙台が。
その二桁(得点)取った自信をそのままJ1で見せたいっていうのが一番あったし、サッカー選手なので上でやりたいって気持ちがやっぱり一番。
サッカーを始めた時から大事にしていたところであるので、そこは素直に自分の気持ちに従って決断しました。
ベガルタ仙台で過ごした3年間を振り返って
仙台にはサッカー選手の価値もそうですけれど、やっぱり人として成長させてくれたっていうのもすごくあるし、今まで感じなかった、クラブがどんな人に支えられてできているかとかも、この3年間ですごく学んだし実感できたので、いろいろサッカー以外の部分でも成長させてくれて、学びもすごく与えてくれた大事なクラブと思っています。
地元のためにサッカーできる幸せっていうのは限られた人しかないと思うし、なおさらキャプテンもさせていただいたりだとか、応援してくださっている方が自分と地元が一緒っていうのがなかなかないので、すごく幸せなことだったのかなと思いますし。
目標は叶えられなかったんですけれど、苦楽を共にしたサポーターだったり、チームメイトだったり、会社の人とかのおかげで、すごく充実した3年間あっという間だったなと。
今思うと、時間が過ぎるのが早かったなと思います。
夢を追いかける「ポジティブなチャレンジ」
(地元クラブに帰ってきてよかったと)めちゃめちゃ感じていますし、こんなにやりがいがあって。
もちろん地元のクラブだったので好きだったんですけれど、この3年間でもっと大好きになったし、愛っていうのが自分の中ですごく大きくなって。
だからこそ2週間半じゃ足りないくらい、悩む時間がもっと欲しかったなというのがあるので。
勘違いしてほしくないのは、軽い気持ちでチャレンジしようと思ってないですし、僕自身の夢を追っかけるっていうことで、今回はポジティブなチャレンジだと僕は思っていますし、ネガティブな考えを持っている方もいらっしゃるかもしれないですけれど、本当に僕の愛だったり好きって気持ちは変わらない。
いちサッカー選手としてまた夢を追っかけてやっていきたいなと思います。
J1での活躍を通じて届けたいこと
来年から違うチームにはなってしまうんですけど、出身は絶対死ぬまで変わらないし、僕がJ1で活躍すれば、また宮城からサッカー選手になろうっていう子供たちが出てくると思うので。
チームが違えど、いい影響を与えられるように、届けられるようにやっていきたいです。
ベガルタ仙台のサポーターへ
ベガルタ仙台のサポーターの皆さん。
この決断に至るまですごく時間をいただきました。
僕の中では同カテゴリーに移籍するっていうのはもう全く最初からなかったですし、やるなら上でやるっていうところで。
でもその天秤にかけてしまうのが、地元のベガルタ仙台というクラブで、僕自身比べるのも悪く思ってしまうくらい辛かったですし、悩みました。
でもサッカー選手としてまた上でやりたいという気持ちと、自分の中での夢というのがまだまだあるのに気づきました。
本当にベガルタ仙台が大好きですし、その気持ちはずっと変わらないので、そっと、離れても応援してもらえると嬉しいです。
僕自身この移籍はネガティブではなく、すごくポジティブだと思っているので、裏切ったとかそういうわけではなく、しっかり皆さんの目に届くくらい活躍して頑張っていきたいなと思います。
3年間、本当にありがとうございました。
郷家友太 (26)
・ポジション MF
・出身地 宮城県多賀城市
・身長/体重 183cm/74kg
・経歴 鶴ヶ谷SSS-仙台ジュニアユース-青森山田中-青森山田高-神戸-仙台