テレビ宮崎の夕方ニュース「#Link」でお天気コーナーを担当している気象予報士・古山圭子さんが天気の豆知識を解説するコーナー。今回は、「イルミネーションが冬の風物詩である理由」についてお伝えします。
冬の夜空を彩るイルミネーション、なぜこの季節?
冬の風物詩といえば、街をきらびやかに彩るイルミネーション。見ているだけで心が温かくなりますね。ところで、なぜイルミネーションは冬に集中しているのでしょうか?

今回は宮崎市のイルミネーションの名所、「フローランテ宮崎」からお伝えしました。どうしてイルミネーションといえば冬なのか…古山予報士によると、その理由は大きく3つあるそうです。
理由1:夜が長くて、空気が澄んでいるから
まず一つ目の理由は、気象と密接に関係しています。

「夜が長くて空気が澄んでいるんですよ」と古山さんは解説します。
12月下旬は一年で最も昼の時間が短い「冬至」を迎える時期。日没が早いため、イルミネーションを長い時間楽しむことができます。
そして、ここが気象のポイントです。冬の空気は、夏に比べて乾燥しています。空気中の水蒸気が少ないと、光が水滴に乱反射することが減り、よりくっきりと鮮やかに見えるのです。凛とした冬の夜空の下でイルミネーションが一層輝いて見えるのは、この「空気の澄み具合」が大きく影響しているのですね。
理由2:樹木への負担が少ないから
二つ目の理由は、自然への配慮です。街路樹などにLEDを飾り付ける場合、夏は葉が生い茂っているため、枝や葉に負担がかかってしまうことがあります。その点、葉が落ちる冬の木々は、飾り付けがしやすく、樹木への負担も少なくて済むというわけです。
理由3:集客力アップにつながるから
そして三つ目は、経済的な理由です。冬は寒さで外出を控えがちになり、経済活動が少し鈍くなる傾向があります。しかし、美しいイルミネーションがあれば、「見に行ってみよう」という気持ちになりますよね。

「そこに行くまでの交通費とか、そこに行ってからホットココアとかホットワインとか買えますよね」と古山予報士が話すように、イルミネーションは人々を街に呼び込み、周辺の店舗の利用を促すなど、地域経済を温める効果も期待されているのです。
天気で変わるイルミネーションの楽しみ方
それでは、これからクリスマス、年末年始に向けて、イルミネーション鑑賞に最適な日はいつなのでしょうか?

12月24日(水)クリスマスイブは、前線を伴った低気圧が九州を通過するため日中は雨が降りそうですが、気温は11月並みに高くなる予報です。一方、週末の26日(金)から28日(日)にかけては、強烈な寒波の影響で冬晴れとなるものの、厳しい寒さに見舞われるとのこと。
古山予報士は、「寒いのが嫌という方は、気温が高い日を狙うのがおすすめです」と話します。

加えて24(水)25(木)の2日間、フローランテ宮崎では、小学生以下の先着100人にサンタクロースからのプレゼントを準備しているそうです。そこも重要な要素ですね。
雨の日は少し残念に思うかもしれませんが、濡れた地面に光が反射して、幻想的な風景が広がることもあります。一方で、厳しい寒さの晴れた日は、空気がより一層澄み渡り、光の粒一つひとつが際立って見えることでしょう。
その日の気象条件を知ることで、イルミネーションの楽しみ方も変わってきます。イルミネーションを見に行く際は、ぜひ空の状態にも注目してみてください。きっと新しい発見があるはずです。
(テレビ宮崎)
