首都圏屈指の観光地で異変が起きている。

箱根でガソリンスタンドの閉鎖が相次ぎ、元々5カ所あったスタンドは来年には2カ所だけになる見通し。「不便になる」と不安の声があがっている。

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車で訪れる人は多いのになぜ閉店が相次ぐのか?理由を探った。

来年春には町内の給油所が2カ所に

平日の19日も多くの観光客で賑わう神奈川・箱根町の大涌谷。ところが、年間2000万人以上が訪れる首都圏屈指の観光地に今、思わぬ事態が起きている。

取材班:
駐車場には「満車」と表示されています。入りきれない車が下にも続いていて、渋滞が起きています。

大涌谷の観光客:
19日も1泊して明日帰ります。(車の)ガソリンはあと半分くらい。

ところが…

取材班:
こちらは先月閉鎖したガソリンスタンドです。給油機が残されています。張り紙がありますね。「閉店のお知らせ」と書かれています。

箱根町には元々5カ所のガソリンスタンドがあった。しかし、8月と11月に相次ぎ閉鎖。現在営業しているスタンドは3カ所だけとなっている。

8月に閉鎖された小涌園のガソリンスタンドを訪ねると…

取材班:
いま解体作業が行われています。

さらに人気の観光地・宮ノ下で営業中のスタンドを取材すると…

取材班:
こちらのガソリンスタンドは来年の3月に営業をやめるということです。ちょうど今、2台の車が給油しています。

このガソリンスタンドも、来年3月いっぱいでの閉鎖が決まったという。

利用者:
不便だよね。あちこち店が閉まっているものね。

地元宿泊施設の関係者:
信じられないですね。署名運動でもしたいと思ってるくらい。

人気観光地・箱根町のガソリンスタンドが来年春には2カ所だけになる。

全国でガソリンスタンドは30年連続減少

なぜ人気の観光地なのに閉店が相次ぐのか?

閉鎖予定のスタンドの運営会社に理由を聞いた。

宮ノ下給油所を運営・箱根プレザントサービス担当者:
なかなか要員の確保ができないという所に、ガソリンスタンドの地下タンクというのは40年経過で改修ないし交換というルールがありまして、閉鎖せざるを得ないような状況に追い込まれてしまった。

深刻な「人手不足」に加え、約1000万円という「タンクの改修費用」も重い負担になっている。セルフスタンド化するにも莫大な費用がかかるため、閉鎖せざるを得ない状況になったという。

相次ぐスタンド閉鎖について、旅行客に話を聞いた。

大涌谷のドライブ客:
(残りガソリン)10分の3メーター。

大涌谷のドライブ客:
半分もないくらい。

給油できるスタンドをスマホで探す。

スマホで探すと閉鎖済みのスタンドが出てきたが…
スマホで探すと閉鎖済みのスタンドが出てきたが…

大涌谷のドライブ客:
やってる。営業中?

取材班:
解体中なんです。

大涌谷のドライブ客:
え〜危ない。行こうとしてた。

経済産業省によると、全国のガソリンスタンドの数は30年連続で減少し、2024年度末には2万7009店になった。ピーク時の1994年度末の半分以下に減っている。

また、地元の住民は生活への影響を心配していた。

地元の人:
郵便局の配達してる人とか(給油所が)なくなってしまう。

箱根町では住民や観光客から「不便」などの声が上がっているとした上で、消防車や救急車などの活動に支障が出ないよう「搬送の帰りなどに給油するよう指示をする」などとしている。
(「イット!」12月19日放送より)

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