■閉園した動物園「ノースサファリ」引き継ぎに名乗りを上げた真意は?
2025年9月に閉園した北海道札幌市の動物園、ノースサファリサッポロ。
この動物園を引き継ごうと名乗り出た東京の投資会社が、先日、札幌市内で住民説明会を開いた。
反対の声があがる中、真意はどこにあるのか…社長がUHBの単独インタビューに応じ、胸中を明らかにした。
■投資会社社長「何の罪もない動物が苦境に。それを何とかしようと」
東京の投資会社の赤沢芳樹社長。
12月16日午前、UHBの単独取材に応じた。
投資会社ビーチキャピタル 赤沢芳樹社長:
東京から出てきてね、資金を出すからと、そういう上目目線で見られても仕方ないが、(人間のルールで)何の罪もない、何も知らない動物たちが苦境に追い込まれつつある。それを何とかしようと
■11月末時点で256匹の動物が残されたノースサファリサッポロ
11月末時点で256匹の動物が残されている札幌・南区のノースサファリサッポロ。
開発が制限される市街化調整区域に、飼育小屋やフードコートなど100棟以上の違法建築物を建て、約20年営業を続けていたことが問題となり、9月末に閉園した動物園だ。
現在の運営会社は、札幌市から期限内に違法建築物を全て撤去するよう勧告されている状態だ。
■新たな運営予定地で開いた住民説明会は大荒れ
そんな中、支援を申し出たのが東京の投資会社だった。
この投資会社はノースサファリの近くの別の土地での運営を視野に、準備を進めていた。
しかし12月5日、新たな運営予定地で開いた住民説明会は大荒れとなった。
住民:
何割の人が反対すればやりませんと明言して
■名乗り出た背景には経営陣の“動物への深い愛情”
参加者から上がった反対の声をどう受け止めたのか…。
投資会社ビーチキャピタル 赤沢芳樹社長:
交渉というよりも、そこで無理やりということではありません。いろんな問題あると思うんです。話し合いのスペースがあるのなら、オープンに話し合いをさせていただきたい。
名乗り出た背景には、経営陣の動物への深い愛情があるという。
■「動物の環境を改善したい」との思いを抱いた取締役
投資会社ビーチキャピタル 赤沢芳樹社長:
酒井さんは小さい動物とふれあいカフェをやっていた。動物好きなんで。動物を管理することの大変さ、スタッフを管理する基本的な認識を彼女は持っている。
支援を発案したのは取締役の酒井さんだ。
度々、園を訪れるなか、「動物の環境を改善したい」との思いを抱いたという
■社長は有名な競走馬を多数輩出した牧場「大樹ファーム」元経営者
赤沢さんも約20年前に、有名な競走馬を多数輩出した北海道十勝地方の大樹町の牧場「大樹ファーム」の元経営者だ。
「競走馬も非常にデリケートな生き物でして、ちょっとのことで体調を崩したり、管理する厩務員、調教師など大変な努力がある。私は10年以上、真横で見てますから。動物をいい状態で飼育するのは非常に難しい」と語る。
さらに赤沢さんはこう続けた。
「動物は移動する距離も少なければ少ないほうがいい。スタッフもできれば同じスタッフが居残るのがいい」
12月22日現在、ビーチキャピタルは、札幌市の許可を得た上で、2026年夏にも新たな獣舎を現在の園内に建て、動物を移動させたい意向だ。
■住民の理解を得た上で動物園を立て直すことはできるのか…
投資会社ビーチキャピタル 赤沢芳樹社長:
何が何でもやり遂げるぞというのは、事業をやり遂げるのではなくて、動物をきちんといい環境に置くということ。そうすると事業にもなる。妥協できるところを妥協して、動物がいい方向に。とりあえずはそこで何とかなってそこから考えようということでもいい。何とかならないのか。
住民の理解を得たうえで動物園を立て直すことはできるのか…札幌市の対応も含め、注目が集まっている。
