最低気温が3.3℃と震える寒さとなった16日朝の東京都心。上野動物園には開園前から多くの人の姿があった。皆さんのお目当ては、やはり2頭の人気者“パンダ”。しかし、その思いは複雑なようだ。
パンダ観覧は「1人1分程度」
来園客:
(返還が)1カ月も前倒しになったので、ちょっと心の整理がついてないです。
来園客:
パンダは今のところは生活の一部。ここに来るのは日常生活みたいなところなので。

2026年1月に中国へ返還されることが発表された双子のジャイアントパンダ。

笹の葉を美味しそうに食べる「レイレイ」。
訪れた人は、そのかわいらしい姿をカメラに収めていた。

係員:
はい、ありがとうございます。お時間となりましたので、ご移動となります。

16日から自由観覧ではなく、1人1分程度の時間内での観覧に変更。
来園客たちは、その短い時間でも、しっかりとパンダの姿を目に焼き付けていた。
大阪から来た女の子(3歳):
パンダ可愛かった。寝てるのがかわいかった。今のうちに日本にいる時に見た方がい
来園客:
パンダが日本にいて当たり前みたいな、そういう状態にだったのが、帰っちゃうなんて寂しすぎます。

東京・上野動物園で2021年に生まれ、現在4歳の双子のパンダ、シャオシャオとレイレイ。

2026年1月に2頭が返還されると、1972年に日中国交正常化を記念して「カンカン」と「ランラン」が来日して以来、約50年ぶりに日本国内にいるパンダの数がゼロになる。
「パンダこそ上野の看板役者」
“パンダの街”上野では、パンダとの別れを惜しむ声が聞かれた。

取材班が訪れたのは、店内がパンダ一色のカフェ「Cafe NIKI」。ふんわりとした泡の上に双子のパンダが描かれた「パンダカプチーノ」は店自慢の一杯だ。
女性客:
(返還)は嫌です。絶対に嫌です。さびしいです。
女性客:
松坂屋もそうですし、パンダを前に出してるじゃないですか。どうなっちゃうのかなと思って…。

上野パンダ専任大使・二木忠男さん:
パンダこそ上野の看板役者なんです。だからパンダがいて上野の街が潤う。見てると笑顔になるし、何よりも、日中友好の架け橋。大事な看板役者。
パンダが一足先に中国に返還されたのは、和歌山県のアドベンチャーワールド。

2025年6月の返還前には、街にはパンダがあふれ、多くの人が訪れていたが、返還後は空から見ても一目瞭然なほど、人の数は減っていた。

パンダが姿を消してから約2カ月、アドベンチャーワールドでは“パンダロス”を逆手にとり、パンダが過ごしていた場所に特別に入ることができるイベントを始めた。パンダがいた場所に入れるとあって、思い出に浸りながら過ごせると好評だった。

上野動物園によると、パンダの観覧は12月23日からはウェブでの申し込みが必要となり、観覧最終日は2026年1月25日だという。
(「イット!」 12月16日放送より)
