上野動物園の双子のジャイアントパンダ「シャオシャオ(雄)」と「レイレイ(雌)」が2026年1月下旬に中国へ返還され、半世紀続いた国内でのパンダ飼育が途絶えることについて、木原官房長官は、「政府としては交流継続を期待する」と述べた。
木原長官はパンダについて、「日本国民に幅広く親しまれており、今回返還される2頭も長い間、多くの人々から愛されてきたと承知している」と述べたうえで、「中国でも健やかに過ごしてくれるよう願うばかりだ」と、返還を惜しんだ。
そのうえで、パンダの新たな貸与を中国側に働きかけるか問われ、「複数の地方自治体や動物園からパンダの貸与を希望する声が寄せられていると承知している」としつつ、「政府としてはパンダを通じた交流が継続されることを期待している」と述べるにとどめた。
木原長官は、「パンダを通じた交流はこれまでも日中両国の国民感情の改善に貢献してきた」と指摘し、交流の継続に期待感を示したが、台湾有事をめぐる高市首相の国会答弁をきっかけに、中国は戦闘機による自衛隊の戦闘機へのレーダー照射や自国民に対する日本への渡航自粛の呼びかけなど、安全保障・経済の両面で日本への挑発や反発を強めていて、パンダの新たな貸与に応じる雰囲気が醸成されるには時間がかかるとみられる。