墓を撤去して管理を終える「墓じまい」が増加し、改葬件数はこの10年で倍増している。背景には墓の管理負担や後継者不足への不安があり、維持費を抑えられる「樹木葬」への関心も高まっている。供養のあり方は時代の変化とともに多様化している。

「墓じまい」が増加 改葬件数は10年で倍増

お盆期間中、各地で見られたのがお墓参りをする人々の姿だ。

墓に線香や花を手向け、手を合わせる人々。
「(ご先祖に)そろばん頑張っている。元気にやってるよと伝えた」「先祖に対する感謝とお礼ですね。これからもお守りくださいと」と話していた。

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一方で、増えているのが墓そのものを撤去して更地に戻す「墓じまい」だ。

厚生労働省によると、墓じまいなどをして墓を移す改葬の件数は、ここ10年で約8万4000件から17万6000件に倍増したという。

墓じまいの代行サービスに当たる会社の担当者は次のように話す。

墓じまいパートナーズ・小林玉喜さん:
お墓が遠くて墓参りが大変というのが一番のきっかけになることが多い。お墓を建てた親御さんも亡くなって、ご自身はお寺との関係が強くないので、お墓の管理を子どもにそのまま押しつけるのは申し訳ないと。

この会社が墓じまいの経験者や検討した人を対象に行った調査では、その理由について約半数が「遠方のため」と回答した。

続いて、「墓参りが難しくなった」「管理費が負担」「子どもに迷惑をかけたくない」を理由に挙げた。

神奈川・横須賀市の霊園に墓参りに来ていた人は「私はこうやって来られているが、このまま維持していけるか分からないので、墓じまいも頭の中に入ってくる」と話す。

注目集める新たな供養「樹木葬」

墓じまいの増加とともに今増えている供養の形が「樹木葬」だ。

顕証寺・信清宏章住職:
(Q. あまりお墓という感じがしないが?)まさに樹木葬。ガーデニング霊園とでもいいましょうか。

樹木葬はその名の通り、草木や花を目印にして遺骨を埋葬するというものだ。

名前のプレートにはニコちゃんマークであったり、ラグビーボールなど当時その方が思い入れのあったマークを入れているようだ。

墓石の中に遺骨を納める一般的なお墓より費用も少なく、契約時に管理費を一括で納めた場合、年間の管理費が不要となることもメリットの1つ。

神奈川・鎌倉市にある寺の場合、8年前に樹木葬を始めたところ問い合わせが殺到し、物価高騰などで赤字だった寺の運営が黒字へと“V字回復”したという。

顕証寺・信清宏章住職:
クライアントは2000名を超えている。新築に近い形で管理棟を竣工することができた。起死回生といってもいいかもしれない。

多様化する樹木葬 ガラス墓や合葬型も

その樹木葬の形も大きく変化している。

取材した横須賀市の霊園には、正方形のプレートやカラフルなガラスのモニュメントが並んでいた。

価格はプレート型が80万円から、ガラスタイプは70万円からとなっている。

Bami合同会社・方波見誠次代表:
(Q. 最も低価格なタイプは)この後ろに皆さん合葬して眠っていただく。その後ろにガラスのプレート板があり、誰が眠っているか分かるようにしている。一霊20万円から、リーズナブルな値段でここを求める方も非常に最近多い。

夫と娘が眠るプレートに手を合わせていた女性は、墓じまいをして樹木葬を選んだという。

80代:
娘が亡くなって(お墓を)見る人がいない。買ったときに支払うと面倒を見てくれるので助かっている。

また、子どもに先立たれたことで樹木葬を選んだという夫婦は「子どもがいたが事故で亡くなって、お墓を守る子がいなくなった。気軽にいつでもお参りができるので、樹木葬にしてよかった」と話す。

時代の変化に伴う新しい供養の形は今後も広がりを見せていきそうだ。
(「イット」8月14日放送より)

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