鮮やかな色彩と独創的な発想から生まれた彫刻作品が、見る人に驚きと問いを投げかけている。遠くからは動物の姿に見え、近づくと花や昆虫など意外な要素が隠されているその造形は、若い感性ならではの自由な表現力を感じさせる。秋田の若きアーティストの挑戦は、地域の展覧会を経て全国の舞台でも評価され、次の夢へとつながる大きな一歩となっている。
驚きと面白さを込めた作品作り
ピンク色の長い足に、体には色とりどりの花。
フラミンゴをモチーフにした彫刻作品『綺鳥 ―イロドリ―』は、遠くから見ると鳥の姿に見えるが、近づくと花やテントウムシの目が現れる仕掛けが施されている。
鑑賞者に「思いがけない発見」を与えることを意図した作品だ。
制作したのは、秋田市にある秋田公立美術大学附属高等学院の2年生で、工芸部に所属する高橋蘭さん。
この作品は2024年11月の秋田県高校総合美術展で特賞を受賞し、2025年に香川県で開かれた全国高校総合文化祭でも奨励賞に輝いた。独創性と完成度が高く評価された。
展覧会への最後の挑戦『シン・カロン』
続いて高橋さんが取り組んだのは、進化論をテーマにした彫刻作品『シン・カロン』。
金色のひもを埋め込んだライオンや、カラフルな粘土で彩られたゾウなど、動物たちが独自の進化を遂げた姿を表現している。土台は発泡スチロールや石こうを組み合わせ、動物ごとの個性を際立たせる工夫も凝らされている。
この作品は2025年秋の県高校総合美術展に出展され、最高賞の「特賞」受賞はならなかったものの、高い評価を受けた。
高橋さんは、この作品が「見る人にとって、新しい問いを投げかけ続ける作品であればいい」と語る。
創作から“次の夢”へ
展覧会に向けた作品制作は一区切りを迎えたが、そこで得た経験は次の夢へとつながっている。
高橋さんは保育の道を志し、子どもたちに粘土や絵を描く楽しさを伝えられる先生を目指している。創作活動を通じて培った「面白さを見つける力」は、子どもたちの感性を育てる大きな力となるだろう。
次世代へつながる問いかけ
高橋さんが制作した『シン・カロン』は2026年2月、秋田市の県立美術館で開かれる生徒作品展「明日のクリエーターたち」にも展示される予定だ。
見る人が「これはどんな動物なのだろう」「なぜこの色なのだろう」と考えることで、作品は問いかけを続け、次世代の感性へとつながっていく。
(秋田テレビ)
