シリーズでお伝えする「２０２５くまもとニュースの深層」３回目は交通に関する問題です。
今年１０月、熊本市で熊本西環状道路の新たな区間が開通しました。これにより熊本市の北部と西区のＪＲ熊本駅が新たに結ばれることになりました。
この西環状道路の開通は熊本市の渋滞緩和に効果をもたらしたのでしょうか。私たちは既存の国道と西環状を使った場合とでどんな違いが見られるのか、西環状新区間の開通前後での比較・検証を行いました。
【尾谷いずみ】「１０月１７日金曜日午前７時半北区植木町の北区役所前です。熊本西環状道路の新区間はまだ開通していません。ここからＪＲ熊本駅までどのくらいかかるのか、実際に向かってみます」
まずは西環状道路の新区間『開通前』です。朝のラッシュ時に国道３号線を使って北区役所からＪＲ熊本駅へ。
【１５分経過・北区明徳町】「１台、また１台と左側の脇道から車が３号線に合流してきます」出発からおよそ１５分、北区植木町を過ぎた辺りから車が増え始めます。しかしこれはまだ序の口でした。
【４３分経過・黒髪】「８時２５分黒髪３丁目です。信号は青ですが車が動けません。渋滞にはまったようです」中心市街地に近い黒髪付近で渋滞につかまりました。
【約１時間経過・草葉町】「今は進んでいますが進んだり止まったりを繰り返している状態です」ところがある地点を通過すると状況が大きく変わります。
【１時間３分・水道町交差点】「水道町交差点を通過します。この先、車は混んでいるようには見えません」「（渋滞は）水道町交差点までですね」水道町交差点を過ぎるとまるでうそのように渋滞がなくなりそこから熊本駅まではスムーズに走行できました。
【到着車内・尾谷いずみ】「（熊本駅）降車エリアに入りました。アミュプラザ横に到着。ストップウォッチ止めます」
【ＪＲ熊本駅・尾谷いずみ】「北区役所からここまで１時間１３分かかりました。これが熊本西環状道路新区間の開通によってどう変わるのかまた検証したいと思います」
【１０月１９日・尾谷いずみ】「ということで１１月２１日金曜日北区役所にいます。今回は一人増え、再び検証です。私は前回と同じ国道３号線を使ってＪＲ熊本駅まで行きます」
【熊本竜太】「そして私は下硯川インターチェンジから熊本西環状に乗り、熊本駅を目指します」私たちは国道３号線組と西環状組に分かれて出発。
【西環状線組・熊本竜太】「いま北区役所を出発しました」
【国道３号線組・尾谷いずみ】「通りに入りました。スタートです」
まずは国道３号線を走行する両者、西環状組は途中で分かれ開通した新区間を使って熊本駅に向かいます。
【西環状組・下硯川ＩＣ】「今、西環状道路・下硯川インターチェンジに入りました。ここまでの所要時間は約３０分です」北区役所から下硯川インターまではおよそ３０分、環状線に乗った車は熊本駅に向かってスムーズに走行します。
【西環状組・池上熊本駅ＩＣ】「池上熊本駅インターチェンジから万日山トンネル、熊本駅方面に入りました。ここまで３８分です」
【西環状組・到着】「熊本駅の白川口側に今到着しました。所要時間は４５分です」こちらは３号線組ある変化を感じていました。
【３号線組・黒髪】「前回はこの辺り、信号が青に変わってもなかなか前に進めませんでしたが今は順調に進んでいます」１カ月前、渋滞にはまった黒髪付近、今回はスムーズでした。そして前回は通過まで１時間以上かかったあの交差点は？
【３号線組・水道町交差点】「目の前に水道町交差点が見えてきました。前回より１０分ほど早い通過です。今、水道町交差点通過しました」
【３号線組・到着】「さあ熊本駅に到着です。それではストップウォッチを止めます。はい到着」
【熊本駅前・尾谷いずみ】「北区役所からＪＲ熊本駅までおよそ５７分で来ることができました。前回と比べて１６分早い到着となります。前回と比べてスムーズにここまで来ることができた印象です。これも熊本西環状道路新区間開通の影響といえるのでしょうか」
検証の結果を整理します。西環状道路・新区間開通前の１０月北区役所からＪＲ熊本駅まで国道３号線を使っての所要時間は１時間１３分でした。
そして開通後、西環状道路を使っての所要時間は４５分一方、開通後に国道３号線を使った際の所要時間は５７分となりました。
西環状道路を使うとそれまでより２８分の短縮となり、西環状道路・新区間開通後は国道３号線での所要時間も１６分短くなりました。
この結果をどう見るか交通の専門家に聞きました。
【熊本学園大学経済学部工学博士・溝上章志教授】
「想定していたのと大体同じくらいだと思うし、かなり良い効果が上がっているんじゃないかと思いますね。高規格道路が開通して本当に良かったと思います」
国道３号線の渋滞は今後も緩和状態が続くのか？
「もっと緩和しないといけない」
