2025年のエリアを振り返る年末回顧。今回は2月に高松市にオープンした「あなぶきアリーナ香川」についてです。新たなランドマークとしてオープンしたアリーナ。これまでと今後を考えます。
◆「あなぶきアリーナ香川」は2月、全国・世界の中で人が行き交う大きな「核」となる船出
(香川県 池田豊人知事)
「香川県立アリーナ、開館いたします」
2月24日、大きな期待を受けてオープンした「あなぶきアリーナ香川」。香川県ゆかりの著名人のメッセージや、バイオリニストの葉加瀬太郎さんを招いた音楽ステージなどで船出を祝いました。
(香川県 池田豊人知事)
「全国、世界の中でここが、人が行き交う1つの大きい核になるような場所になれば」
◆こけら落としは「サザンオールスターズ」のライブ…「TGC」開催など存在感を示す
香川県の池田知事が期待感を示す中、まさに「にぎわいの核」となる片鱗をみせます。
こけら落としではサザンオールスターズのライブが行われ、最大収容人数1万人という中四国最大級のメインアリーナを持つその存在感を示しました。
3月にはプロジェクションマッピングが行われ、3日間で約3万3000人が来場。5月には東京ガールズコレクション(TGC)が華々しく開催、アリーナは若者たちの歓声に包まれました。
◆歩行者天国化に大学移転…27年には高級ホテルがオープン予定「さらなる盛り上がり」に期待
アリーナの誕生を皮切りに周辺環境も変化し高松市中心部の姿が変わりつつあります。
アリーナのオープンに合わせて周辺の道路は歩行者天国化されたり歩道を広げたりして歩きやすい環境が整備されました。
4月にはJR高松駅の横に徳島文理大学が移転、学生や教職員、約1500人が集う新たな拠点がアリーナの近くにできました。さらに周辺では高級ホテルの「マンダリンオリエンタル瀬戸内」が2027年にオープン予定。アリーナ周辺の環境はさらなる盛り上がりを予感させています。
◆初開催「クリスマスマーケット」で夜型観光の「核」としての狙いも
池田知事はオープンからここまでの動きを次のように評価しました。
(香川県 池田豊人知事)
「総括的にはアリーナは集客力が高いと期待していたが、期待以上の集客力を発揮している」
10月には2回目のプロジェクションマッピングが行われ、3日間で約5万2000人が訪れました。さらに12月12日からは初開催のクリスマスマーケットが行われ、県としては夜型観光の核としてもアリーナを活用したい考えです。
◆香川大学・西成典久教授は好評価も「ここでしか〇〇できないという店舗開発やコンセプトの形成を」
都市計画やまちづくりに詳しい香川大学経済学部の西成典久教授は、ここまでのアリーナの動きを次のように評価します。
(香川大学経済学部 西成典久教授)
「アリーナができて海側に人流が変わった。これまでになかったような高松駅前の光景やそれがまちなかに波及したり、アリーナができたことでこれまでになかった都市のにぎわいや人流が生み出されてきている」
西成教授はこう評価したうえで、さらなるにぎわいの拡大には飲食店やカフェ、物販店などの周辺施設の整備が必要だと指摘します。
(香川大学経済学部 西成典久教授)
「ここにしかない。ここでしか見られない。ここでしか体験できない。そういった店舗開発や周辺のコンセプトの作り方、経営だけではなくて空間・デザインも含めて総合的に考えていく必要がある」
◆にぎわいづくりの「核」として真価が問われる2年目へ
2026年以降、アリーナ周辺では中央商店街との直行バスの運行やイルミネーションの展開も期待されています。
オープン元年とあって話題に事欠かなかった「あなぶきアリーナ香川」。にぎわいづくりの「核」として真価が問われる2年目の新たな年がまもなくやってきます。
(香川県 池田豊人知事)
「アリーナが世界の人から目印になるような、瀬戸の、香川の高松にあのアリーナがあるなと目印になるような施設にさらに発展させたい」