高松国税局は2024年7月~25年6月の法人税調査の結果を発表しました。
四国4県の申告漏れ所得金額は前年比9.7%増の200億7800万円でした。2年ぶりの増加です。このうち不正所得金額は83億200万円で、4年連続の増加です。
四国4県で1761件の法人を調査し、このうち1507件で申告漏れがあったということです。追徴税額は44億5900万円、1件当たりの追徴税額は253万2000円で、過去10年で2番目の高水準となっています。
大口の悪質事例も発表されています。
【ケース1】仮装した日計表を作成し不正に税負担免れる ー風俗業を営む会社ー
代表者の指示で事実の売り上げを集計した日計表から無作為に売り上げを除外していました。虚偽の日計表を作り、売り上げを過少にした申告書を税務署に提出していました。
この会社の法人税申告漏れ所得金額は1億6500万円で、加算税を含む追徴税額は法人税が4500万円、消費税が2100万円でした。
【ケース2】取引先と通謀 不正な還付申告 ー飲食業などを営む会社ー
取引先の会社の代表者に、機械装置などの取得額を水増しした請求書を発行するように依頼することで、仕入れにかかる消費税額を過大に計上したもの。虚偽の消費税還付申告書を税務署に提出し、不正に還付申告を受けていました。
この会社の追徴税額は400万円でした。
◆法人税の不正発見割合の高かった業種は…
香川県など四国4県内訳
▽香川県
申告漏れ所得金額 53億1100万円(19.5%増)
不正所得金額 16億6800万円
追徴税額 13億3800万円
1件当たり 271万5000円
▽徳島県
申告漏れ所得金額 50億2400万円(17.1%増)
不正所得金額 27億1200万円
追徴税額 9億2800万円
1件当たり 304万3000円
▽愛媛県
申告漏れ所得金額 66億4600万円(3.7%減)
不正所得金額 23億5300万円
追徴税額 14億8100万円
1件当たり 236万6000円
▽高知県
申告漏れ所得金額30億9600万円(16%増)
不正所得金額 15億7000万円
追徴税額 7億1100万円
1件当たり 211万1000円
高松国税局では調査選定の絞り込みなどにAIも活用し、効率的な徴収に取り組んでいるということです。
<法人税の不正発見割合の高かった3業種>
1、建売・土地売買(建物売買、土地売買)
不正発見割合53.8%
2、その他対個人サービス
(レンタカー、生活用品賃貸、スポーツ・娯楽用品賃貸、葬儀、結婚式場など)
不正発見割合50.0%
3、自動車修理(自動車修理、中古自動車販売兼営など)
不正発見割合48.0%