鹿児島市役所でのマイナンバーカード関連手続きの混雑が深刻化している。市議会で明らかになった今後の見通しによると、現在の待ち時間の長さは序章に過ぎず、2026年度から2027年度にかけて混雑のピークを迎える見込みだ。市は郵便局での手続き利用を促進するとともに、商業施設への窓口設置で分散化を図る方針を打ち出している。

待ち時間は3倍に増加、さらなる長期化も

鹿児島市役所におけるマイナンバーカードの交付や電子証明書更新の待ち時間は、2024年度には平均13分だったが、11月には約45分と3倍に増加している。この急増の背景には、5年に1度必要となる電子証明書の更新時期が到来していることがある。

マイナンバーカード更新、待ち時間45分→さらに長期化の懸念
マイナンバーカード更新、待ち時間45分→さらに長期化の懸念
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2020年度に鹿児島市で交付されたマイナンバーカードは7万1千枚と前年度までと比較して大幅に増加した。この年に交付されたカードが2025年度に電子証明書の更新時期を迎えているため、現在の窓口混雑につながっている。

しかし、より憂慮すべきは今後の見通しだ。マイナンバーカードの交付数は2021年度と2022年度にさらに増加しており、これらが更新時期を迎える2026年度から2027年度にかけて窓口の混雑はピークに達すると予測されている。

郵便局での手続き利用を促進

この状況に対応するため、鹿児島市は市内16カ所の郵便局でもマイナンバーカードの発行申請や電子証明書の発行・更新ができるようにしている。マイナンバーカードの受け取り以外の多くの手続きが、市役所や支所以外でも可能となっている。

12月9日の市議会で、市当局は郵便局の利用状況について説明を行った。大山かおり市民局長は「指定郵便局での手続きについて当初、月1280件を目標としており、受付実績は9月117件、10月243件、11月380件となっています」と報告した。利用件数は増加傾向にあるものの、目標値にはまだ大きな開きがある。

鹿児島市議会(12月9日)
鹿児島市議会(12月9日)

2026年には商業施設にも窓口開設へ

鹿児島市は指定郵便局での手続きを市民に呼びかけるだけでなく、混雑分散化のための新たな対策も計画している。2026年10月には中心市街地の商業施設に窓口を開設する方針だ。

これにより、買い物などのついでにマイナンバーカード関連の手続きができるようになり、市民の利便性向上と市役所の混雑緩和の両方を実現することが期待される。

今後の対応に注目

マイナンバーカードの普及に伴い、更新手続きの需要は今後さらに高まることが予想される。鹿児島市の対応策が市民の利便性向上にどの程度寄与するか、また混雑解消にどれだけ効果をもたらすかについては、今後の推移を注視する必要がある。

市民としては、可能な限り郵便局を利用するなど、混雑緩和に協力することが求められるだろう。また市としても、さらなる対応策の検討や、市民への効果的な情報提供が期待される。

(動画で見る:マイナンバーカード手続き、混雑を避ける方法は? 郵便局・商業施設で分散化へ)

鹿児島テレビ
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