瀬戸内海で問題となっている養殖カキの大量死について。冬の食文化に危機が訪れる中、岡山県の伊原木隆太知事は12月9日、生産者を支援する考えを明らかにしました。
(岡山県 伊原木隆太知事)
「(生産者から)当面の資金繰りが不安などの声を聞いた。大変な事態だと感じた。県独自の支援策の検討を進めるなどカキ養殖業の経営安定に向けた支援に取り組む」
開会中の11月定例県議会で伊原木知事が一般質問で答えました。春に稚貝を仕込み、これから出荷が本格化するはずだった「1年もの」で、最大7割が死んでいるという岡山県の養殖カキ。さらに身が大きくなった「2年もの」は、最大8割が死んでいるとされています。いずれも海水温が高いことなどが原因だということです。
伊原木知事は12月7日、瀬戸内市の漁協を訪れその実態を目の当たりにし、早急な支援が必要だと判断しました。9日は国の交付金を使って、物価高騰対策などを行う約450億円の追加の補正予算案も発表した伊原木知事。
ただ、この予算案に養殖カキの支援は盛り込めておらず、具体的な支援については会見を開いて次のように述べました。
(岡山県 伊原木隆太知事)
「国の方で支援パッケージを近々に発表されると聞いていて岡山県としても国と協力をしながらそれぞれの生産者を支援したい」
養殖カキの大量死を受け本格的に動き出した岡山県。9日の県議会では環境問題の1つだと指摘する声も上がり、瀬戸内海の保護という観点で改めて議論が求められそうです。