2月8日に投開票が行われる衆議院議員選挙。岡山・香川にある注目区の終盤情勢をお伝えします。5日は、新党結成によってできた新たな対決の構図で前職同士が対決する岡山2区です。
岡山2区に立候補しているのは、届け出順に自民党・前職の山下貴司さん(60)、共産党・新人の余江雪央さん(48)、中道改革連合・前職の津村啓介さん(54)、参政党・新人の徳永多真美さん(35)の4人です。
衆議院で政策を審議する内閣委員会の委員長を務める山下さん。高市早苗首相と近い距離にあります。
(山下貴司候補)
「ガソリン税の暫定税率撤廃は地方選出議員としての思いでもあった。ただ1.5兆円の予算が削られることを考えると責任ある財源をしっかり出さないといけない。それが高市総理に進言した外国為替特別会計。日本政府はドル預金を200兆円持っていてその運用益が5兆円ある。これを使ったらどうかと。その考え方により今回暫定税率を撤廃した」
高市首相も応援に駆け付け、山下さんとの関係性をアピールしました。
(高市早苗首相)
「短い時間でみんなが、はー!?と思うようなことをぽーんと言ってのける。みんなそういうことかと納得する。説明力は最高」
高市総理の人気を追い風に感じる一方、気がかりなのは公明党の票の行方です。政治とカネの問題で自民に逆風が吹いた前回の衆院選は、立憲民主党だった津村さんに勝利したものの、その差はわずか約4000票。今回、公明の推薦はなく、さらに立憲と合流した中道の津村さんにその票が流れます。応援に駆け付けた小泉進次郎防衛相も公明票を意識した発言をしました。
(小泉進次郎 防衛相)
「公明党の皆さんは迷っていると思う。本当にくっついてよかったのかなと。安全保障が世界中で激動の時代にくっついた相手が安全保障で一致できないことが分かったのだから」
政治とカネの問題などが要因となった公明の政権離脱と新党結成。山下さんは、複雑な思いを語りました。
(山下貴司候補)
「一緒に実現してきた仲間が会場にいないことはつらい思い。政治とカネの問題は東京地検特捜部(の元検察官)なので一番憎むこと。そこの部分で自民党を変えられなかった。でも絶対に変えてみせる。1人1人に訴えることをこれまで以上に丁寧に熱量を持ってやる」
山下さんとは6回目の対決となる津村さん。今回は、生活者ファーストを掲げる中道からの立候補となり、自民との政策の違いを訴えています。
(津村啓介候補)
「日本が直面しているのは日本の円が安くなりすぎたことで、海外のものを買う時にたくさんの円を払わないと同じものが買えないこと。だから円安は物価高につながる。物価の番人日本銀行出身の私が政治家として一番の仕事としてやっていかないといけない」
個人演説会には、公明の地方議員も応援に駆け付けました。ただ、前回までライバルの山下さんを推薦していた公明。特に地方では急にできた中道という枠組みをすんなり受け入れられたわけではありません。
(岡山県議会 公明党議員団 荒島俊造議員)
「新しい党ができて期間もたっていないので戸惑いの中で選挙スタートしたが急速に津村候補は真っ当なことを言っていると。私たちの目指しているものと同じことを言っている」
立憲の代表として中道の結成に奔走した野田佳彦共同代表も津村さんの応援に駆け付けました。高市首相に対する闘争心をむき出しにしています。
(中道改革連合 野田佳彦共同代表)
「政治とカネの問題に決着が付いていない。全く反省がないから26年間連立を組んできた公明党がパートナーを解消したのではないか」
新党のメリットをどのように生かすか。津村さんは手探りの選挙戦を続けています。
(津村啓介候補)
「旧公明党、旧立憲民主党は政策的に近い。大都会大企業中心の政治をする自民党とは真逆。地域の暮らし生活者の立場から政策を考えてきた両党が一緒に戦う形になり政策の対立軸が自民党との間で明確になり戦いやすい選挙。相乗効果のある新党結成となるよう努力する」
前回も岡山2区から立候補した余江さん。自民と中道の対決構図が鮮明になり、共産が埋没する危機感を持っています。街頭では党の独自色をアピールしています。
(余江雪央候補)
「消費税の減税をほとんどの党が言及している。共産党が他の党と違うのは財源の提案にある。大企業には年間11兆円の法人税の減税がされている。法人税の減税をやめれば11兆円が財源になる」
選挙戦序盤の1月30日には、田村智子委員長が余江さんはじめ岡山の候補者を応援するため駆け付けました。高市首相に対して戦闘モードで臨みます。
(共産党 田村智子委員長)
「統一教会との深い闇を隠した。裏金問題は終わったことにした。支持率が高いうちに多数を取って好き放題やらせてもらう言っているのと同じ」
余江さんは暮らしや平和を守る政党として存在感を高めたいとしています。
(余江雪央候補)
「物価高騰で暮らしが大変になっている原因はこれまでの政権にある。この政治を変えることが基本になる。中道改革連合ができたが政策は自民党政治に対抗する中身になっていないのが残念。暮らしや平和の願いを託せるのは私しかいない」
異例の超短期決戦となった今回、公示3日前に出馬を表明した徳永さん。直前まで会社員をしていて、急ごしらえの中、党の公約を訴えています。
(徳永多真美候補)
「外国人労働者を安い労働力として連れてきては私たちの手取りを増やさなくてよくなってしまう。現場で働く人として言葉が分からない人を連れてきてその人に教える作業は大変な労力。日本語を話せる人、文化やルール、秩序を分かってくれる人を外国から受け入れるべき」
2025年の参院選で躍進した参政党ですが、自分個人の名前はまだ浸透していません。徳永さんは広い農村地帯を持つ岡山2区に合わせて、有権者の心に響く主張を模索しています。
(徳永多真美候補)
「食料自給率が38%しかない。何かあり供給が止まってしまうと100人中38人しか食べることができなくなる。そんなひどい状況。農家を締めあげすぎたのではないか」
自民と中道の対決構図が鮮明になる中、新たな選択肢になろうと違いを打ち出しています。
(徳永多真美候補)
「失われた30年をつくりあげたのは自民党や公明党。そこにまた任すのか。中道改革連合は政策が違う人たちが一緒になりなぜ選挙の前にそんなことをするのか。支援者はかなり混乱し怒っている人もいると聞いた。そういう人が今までの政治でよかったか見直すきっかけにしてほしい」
衆院選は2月8日投開票が行われます。