衆議院の政治改革特別委員会では9日、企業・団体献金の規制強化を巡り、与野党が提出している法案について質疑が開始された。
自民案が、政治資金収支報告書のオンライン提出の義務化など公開の強化に重きを置く一方で、国民民主党と公明党による共同提出案は、企業・団体献金の受け手を減らし、政党本部と都道府県組織に限定する内容で、立憲民主党も賛同する意向を示している。
法案の審議を巡っては、前日8日の委員会理事懇談会で、自民党と日本維新の会の与党側は、審議後の採決を提案したが、野党側は、審議時間の不足などを指摘し「あり得ない」と採決を拒否していた。
与党側が早期の採決にこだわる理由は、与党が今国会での成立を目指す、衆議院議員の定数を削減する法案の存在だ。
企業・団体献金の規制強化を巡る与野党法案と、与党が成立を目指す衆院議員定数削減法案の、いずれも政治改革特別委で審議される法案なのだ。
与党は、衆院議員定数削減法案の審議入りを求めているものの、野党側は「(国会の)原理原則として、先に提出したものから審議する」として、既に審議が進んでいた企業・団体献金の規制強化法案を採決するまでは応じない構えだ。
ある野党関係者は「今週中に(衆院で採決し)参院に送らないと(成立に)間に合わない」と漏らす一方、「自民党から全くやる気が感じられない」と声をひそめる。
維新主導とも言われる定数削減巡り、与党内にも隙間風が吹くとの指摘だ。
国会会期末が17日に迫る中、議論の行方は、依然として不透明なままだ。
(フジテレビ政治部)