北陸新幹線の大阪延伸計画が新たな局面を迎えている。高市政権で与党入りした日本維新の会が、現行の小浜・京都ルートの見直しを求め、米原ルートを含む8つの代替案を提示した。
維新が提案する8ルート案の内容
日本維新の会は12月2日、党内検討チームの会合を開き、北陸新幹線敦賀以西のルートについて「米原案」を含む8つのルート案で再検証するよう求めることを決定した。
提案されたルート案は以下の通りである。

1. 従来の福井県小浜市経由ルート
2. 滋賀県米原市で東海道新幹線に乗り換えるルート
3. 滋賀県米原市で東海道新幹線に乗り入れるルート
4. 琵琶湖西側を通る湖西ルート(線路新設)
5. 琵琶湖西側を通る湖西ルート(在来線活用)
6. 小浜から舞鶴経由で京都市内を通るルート
7. 小浜から舞鶴経由で京都市内を通らず亀岡経由のルート
8. 小浜から京都を通らず亀岡経由で大阪へ向かうルート
日本維新の会の前原誠司衆院議員は「小浜市付近を通ることが50年前の閣議決定に縛られているので、これについてとらわれない、ということで与党PTに臨む」と述べている。

議論の背景と富山維新代表の見解
北陸新幹線をめぐっては、2016年に当時の政府与党が小浜・京都ルートでの大阪延伸を決定したが、京都での地下水への影響を懸念する反対運動により着工がストップし、敦賀以西は現在も着工に至っていない。


与党プロジェクトチームのメンバーとなった富山維新の会代表・柴田巧参院議員は「現実一歩も動かないのが実際のところ。根本的に難しさがあることは認めざるを得ない。現に京都で大変な反対が出てきて、二進も三進もいかなくなっている」と現状を説明。「具体的に実際どのルートが現実的に大阪につなぐにはどこかということを国民が見られる中で絞り込んでいこう」と透明性のある議論の必要性を強調した。
県知事の反応と今後の展望


これに対し、新田知事は「この2年間北陸新幹線の調査の事業費も数十億円かけて小浜ルートを調査してきた。必ずしも新しい案と全く同列にあるものではないと思う。これまでの小浜ルートが有力な候補だと私は考えている」と述べ、現行ルート支持の姿勢を崩していない。
維新は自民党に対し、プロジェクトチームの議事を原則公開で行うよう求めている。現行の小浜・京都ルートが暗礁に乗り上げている現状を踏まえ、北陸新幹線の早期大阪延伸実現に向けた開かれた議論が期待される。
(富山テレビ放送)
