地域の声を行政に反映させるため、東京・多摩市は「協創職員制度」というものを条例化して進めている。
多摩市は、少子高齢化の影響で一時空き家、空き室が目立つ街になったが、中所得者向けに空き家施策を推進するなどして転入者が増加、8年間で5080人の転入超過となっている。
その多摩市で地域の声を行政に反映させるため「協創職員制度」というものを実施している。
役所の中に協創推進室という部署を設け、そこで働く職員を協創スタッフと呼んでいる。
彼らは、地域の声を拾うため、地域の秋祭りイベントなどに参加し、住民が何を求めているのかなど地域社会の課題を聞き取り、市政に反映させるため横断的に庁内調整を行っている。
最近の成果では、老朽化した複合施設の修繕計画で、当初はホールなど建物の仕様用途にこだわっていたものを、地域住民からの「イベントホールよりも交流できる場所を作ってほしい」との意見を反映させ、集会所的な交流できる空間や、ゆっくりとした時間を過ごすことができる図書館などに施設の使い道を変更したという。
多摩市によると、2060年には高齢化率が40.4%となると予測されている。
これからの地方行政は、多世代の参画、多分野の協働が必須だとして、多様な主体がつながり合えるコミュニティーの形成が求められている。