九州新幹線長崎ルートの整備方針をめぐる大きな論点のひとつ“フル規格整備”について佐賀県知事は「ルートや在来線、財源など多面的な問題があり、県民の理解のみで判断すべきではない」と慎重な考えを示した。

“フル規格”と県民理解について質問

武雄温泉と長崎を結ぶ西九州新幹線が開業したものの九州新幹線長崎ルートの「新鳥栖-武雄温泉」間については整備方式やルートは決まっていない。

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この問題について佐賀県議会では知事の見解を問う質問が相次いでいる。
整備方針をめぐる大きな論点のひとつが”フル規格”だ。

12月4日の県議会では、議員が山口知事に対し「県民の理解が一定まで進めばフル規格整備を進めるのか」と質問した。

「県民理解だけで判断すべきでない」

これに対し、山口知事は「ルートや在来線、財源など多面的な問題がある」としたうえで、「県民の理解のみで判断すべきことではない」と慎重な考えを示した。

佐賀県 山口知事:
様々なことをセットで1つの案を作っていくことにこの西九州ルート(長崎ルート)の難しさがあるんです。単純にフル規格についての県民理解というワードだけで議論すべきとは私は思っておりません

また山口知事は、何の前提も置かずに新幹線への賛否のみで議論を進めていくことについて懸念を示した。

佐賀県 山口知事:
何の前提もおかずに県民に新幹線はマルかバツだとか、繋ぐか、繋がないかと言ったらマル(賛成)と答える方が多いんだろう。やっぱりよくこの問題わかっているのは私も日夜勉強しておりますし、県議会の皆さんだと思う

また、山口知事は長崎県やJR九州との意見交換については前向きに進めたいとした一方、「長崎県知事選挙などもある中、実施は(当分)難しい」と話すにとどめた。

九州新幹線長崎ルートの整備方式・ルートをめぐる議論は一筋縄ではいかない状態が続いている。

サガテレビ
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