指宿市の水迫畜産による牛肉の産地・種類不正表示問題が新たな展開を見せている。3月13日、これまで判明していた4自治体以外にも、鹿屋市と枕崎市のふるさと納税返礼品に不正表示された牛肉が使われていたことが明らかになった。

不正の手口と期間

国の調査によると、水迫畜産は少なくとも2023年1月から10月までの間、ホルスタイン種などの牛肉を使った商品を「黒毛和牛」と偽って表示していた。さらに、県外産の牛肉を「鹿児島県産」と不正に表示し、ふるさと納税の返礼品や一般消費者向けに販売していたという。

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この問題を受けて11日には、ふるさと納税の返礼品として水迫畜産の商品を使用していた鹿児島市、指宿市、南九州市、姶良市の担当者が同社の加工場に立ち入り調査を実施した。

鹿屋市での判明経緯

鹿屋市では11日、ふるさと納税で牛肉を扱う業者に対する聞き取り調査を実施したところ、1社が該当する牛肉を返礼品として使用していたことが判明した。現在、牛肉の量や寄付件数について詳細な調査が進められており、関連が疑われる返礼品の寄付受付は停止されている。

鹿屋市ふるさとPR課の内倉康孝課長は「まずは鹿屋市を応援しようと思って寄付を頂いた方々に申し訳ない。これからしっかりした対応ができるやり方などを検討して調査研究していきたい」とコメントした。

枕崎市で数千件が該当か

さらに13日には、枕崎市からも新たな事実が発表された。同市は、枕崎市かつお公社から発送した返礼品の中に水迫畜産の牛肉製品が含まれていたと明らかにした。

詳細は調査中だが、少なくとも発送済みの数千件が該当するとみられ、対象者には判明次第、個別に連絡する方針だという。枕崎市も水迫畜産に関連する70品目の商品について受け付けを停止している。

広がる影響と今後の対応

今回の不正表示問題は、当初判明していた4自治体から6自治体に拡大し、ふるさと納税制度への信頼を揺るがす事態となっている。各自治体は緊急対応として関連商品の受付停止や調査を進めているが、被害の全容解明には時間がかかる見通しだ。

特に枕崎市では数千件という大規模な影響が予想されており、寄付者への説明や対応が急務となっている。各自治体は今後、返礼品事業者の管理体制の見直しや、再発防止策の検討を迫られることになりそうだ。

この問題は、地域の特産品を通じて自治体を応援したいという寄付者の善意を裏切る形となっており、ふるさと納税制度そのものの信頼回復に向けた取り組みが求められている。

(動画で見る▶指宿の畜産業者が「黒毛和牛」「鹿児島県産」と不正表示 鹿屋市・枕崎市など計6自治体で影響拡大)