札幌中心部から約39キロ、石狩平野の豊かな土壌に育まれた北海道長沼町。
四季折々の野鳥が観察できる舞鶴遊水地では、2020年に道央圏で100年以上ぶりにタンチョウのひなが誕生して話題に。
今回は、ロードバイクなどで47都道府県を制覇した旅の達人・金山真大さんが、長沼町の穴場スポットを案内してくれた。

古民家カフェの絶品ハンバーグ
最初に向かったのは、舞鶴遊水地から車で8分の場所にある古民家カフェ「ボンファム」。

築50年の古民家を約2年かけてリノベーションしたこのお店は、2026年3月のグランドオープンを前に、週5日のみプレオープン中。愛犬と同伴可能な専用スペースも完備されている。
外観は昔ながらの懐かしい昭和の家だが、一歩中に入ると白壁のおしゃれな空間が広がっている。店内の大きな窓からは田園風景も一望できる。

おすすめは、十勝の豊かな自然が育んだ「ホエー豚」を使ったハンバーグプレート。
お肉の甘みがぎゅっと詰まった特製ハンバーグは、しっかりとした食べ応えのある仕上がり。
お米は長沼町産ななつぼしを使った十五穀米で、ハンバーグと一緒に食べると絶品だ。

また、長沼町の温泉水で作った「長沼源泉豆腐」を隠し味に使ったワッフルも人気。
外はカリカリ、中はモッチリとした食感。ヘルシーなので罪悪感なく何枚でも食べ進めてしまう一品だ。

カフェの工房でグラス彫刻体験!
続いて向かったのは、ボンファムから車で11分の「長沼のカフェ インカルシ」。
2013年にオープンした、自家焙煎コーヒーと自家製パンやピザが楽しめるカフェだが―。

こちらのカフェの奥にある工房では、「サンドブラスト」によるグラス彫刻体験ができる。
サンドブラストとは、細かい砂を圧縮された空気とともにグラスなどに吹き付けて文字やデザインを彫り込む技法のこと。

パソコンにデザインを取り込み、特殊な紙にプリント。
紙を特殊フィルムに転写してからグラスに貼り付ける。

デザイン以外の部分をテープで保護したら、いよいよ砂を吹き付けていく。

わずか1分弱でサンドブラスト体験は終了。
保護テープを剥がしグラスを洗浄すると、世界に一つだけのオリジナルグラスの完成だ。

田園風景を眺めながらガレットに舌鼓
最後に訪れたのは、「長沼のカフェ インカルシ」から車で15分の「カフェ コフェル」。
2019年にオープンした、長沼町で唯一のガレット専門店だ。

自宅に人を招いてもてなすのが大好きというオーナーの思いが詰まったこのお店では、大きな窓から長沼の田園風景を眺めながら、フランス・ブルターニュ地方の郷土料理であるガレットを味わえる。

北海道産のそば粉を使った4種類のガレットがあり、一番人気は「厚切りベーコンのコンプレット」。

コンプレットとはフランス語で「完全な」という意味で、食材の組み合わせが“完全な”ガレットだという。そば粉の素朴な風味と新鮮な地元野菜、厚切りベーコンのハーモニーが楽しめる。

牧歌的な景色を眺めながら、グルメや体験を満喫できる長沼町。日帰りドライブでぜひ訪れてみてはどうだろうか。

