親が育てられない赤ちゃんを匿名でも預かる『赤ちゃんポスト』、そして病院の担当者にのみ身元を明かして出産する『内密出産』についてです。
今年新たに受け入れを始めた東京の病院の取り組みをめぐって慈恵病院の蓮田健理事長が4日、会見を開き改めて懸念の声を上げました。
【蓮田健理事長】「実質ゼロ回答だった」
今年3月、東京・賛育会病院が『赤ちゃんポスト』、『内密出産』の取り組みを開始。
熊本市の慈恵病院・蓮田健理事長によりますとそれ以降、慈恵病院には関東圏の女性から「東京の病院で匿名性の撤回や費用負担を求められ内密出産を断念した」などの相談が相次ぎました。
これを受け蓮田理事長は今年8月、賛育会病院や管轄の行政機関に見解を求める質問状を提出していました。
蓮田理事長がきょう公開した文書によると賛育会病院は「患者関連情報については答えられない」と回答。
東京都や墨田区は「賛育会病院は国の内密出産ガイドラインに基づいた対応をしている」とする認識を示しました。
また、口頭で回答したというこども家庭庁は「なるべく身元情報を明らかにして出産してほしい主旨のお願いを実施機関にしている」と述べたということです。
【4日 蓮田理事長】「匿名性を撤回させる動きによって(女性は)賛育会病院を去っていく。のちに陣痛が来て救急車を呼んでくれればいいが『出産を隠したい』と自宅で出産して赤ちゃんを遺棄したり殺してしまう事件を誘発してしまう恐れがある」