女子ハンドボールチーム『熊本ビューストピンディーズ』の本拠地、山鹿市では、ハンドボールの街を目指し、普及活動が行われています。先日、市内8つの小学校でハンドボールの親善大会が行われました。

学校、そしてクラスの意地と意地がぶつかり合った、熱戦の模様をお伝えします。国内最高峰『リーグH』に所属するハンドボールチーム、熊本ビューストピンディーズ。

これまで日本ハンドボールリーグでは最多となる17回の優勝を誇るなど、国内屈指の名門チームです。そのピンディーズの拠点・山鹿市で、小学6年生を対象にしたハンドボール大会が開催されました。

【選手宣誓】「クラスの絆をより一層深め互いを励ましあいながら心を一つにして戦う」

30年ほど前から体育の授業にハンドボールを取り入れているという山鹿市。地域ならではの取り組みを通して、学校を超えた児童同士の交流を図ろうと、この親善大会が開かれてきました。

「絶対勝つぞ!」「おー!」

大会本番まで1か月を切ったこの日、山鹿小学校では練習が行われていました。この大会では、各学校、各クラスごとに担当のコーチがつく熱の入りよう。なんと、ピンディーズの選手が子どもたちと触れ合いながら最高峰の技を教えてくれるというのです。

【熊本ビューストピンディーズ 服部沙也加選手】
「左足を出して投げる。キャッチするときは手で三角形を作ってキャッチするように」

【児童】「声出して!」

パスの受け方やシュートの打ち方。基礎からしっかり、児童たちに指導します。

【児童】「みんな『ナイスキーパ』や『ナイスシュート』と言えて良かった良い雰囲気でやれた」「みんなが活躍できるチームにして優勝したい」

一方、こちらは鹿北小学校。少ない人数ですが、抜群のチームワークが武器。和気あいあいと練習に励みます。

【熊本ビューストピンディーズ 米澤綾美選手】
「(ボールを)もらったら、左、右、左で(足を運ぶ)OK?」

児童たちは、毎日昼休みにも練習しているということで、気合十分です。

【児童】「みんなと楽しく思い出に残る試合をして、相手にも優しさを忘れずに試合をしたい」そして、迎えた本番。ことしは2会場に分かれ、8校・13クラスが出場しました。

【先生】「自分のボールになったらすぐ攻める、わかった?ディフェンスになったらすぐ戻る、OK?」

ベンチには、ピンディーズの選手たちの姿も。

【熊本ビューストピンディーズ 宇野史織選手】
「女子、めげるなよ!」公式戦さながらの指示を飛ばし、児童たちを鼓舞します。果敢にゴールを狙い、必死に相手の攻撃を食い止める。児童たちが繰り広げる熱戦に観客席からも熱烈な声援が飛び交いました。

【児童】「会場からの応援があるから(仲間からの声は)聞こえないけど、気持ちだけは受け取りました」

それほどまでに盛り上がったこの日の大会。児童たちはハンドボールの魅力、そしてチームプレーの大切さを実感したようです。

【児童】「あまり話したことのない友達とも仲良くなれたから、ハンドボールはいいなと思った」

「うまくいかない所もたくさんあったけど、やっていくにつれてみんなで協力してプレーすることができたからうれしかった」

「みんなでパスがつながって、シュートまでいけたことがうれしかった」

「難しかったけど、クラスの友達やチームで頑張れたので良かった」

県ハンドボール協会によりますと、県内でこのような取り組みを行っているのは、山鹿市が唯一。全国的に見ても、かなり珍しいのではないかということです。

【熊本ビューストピンディーズ 須田希世子キャプテン】
「ハンドボールに触れなかった小学校時代だった。選手として教えに行くのも楽しいし、少しでもハンドボールを楽しいと思ってくれる子たちが増えてくれたらいい」

ハンドボールの街を目指す山鹿市ならではのこの取り組み。
学校、そしてクラスの意地と意地がぶつかり合い、仲間たちとの絆を深めた大会となりました。

テレビ熊本
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