福井県の杉本知事が4日、辞職しました。自身が複数の県職員にセクハラにあたるテキストメッセージを送ったとして3日、県議会に辞職届けを提出。県議会は4日の本会議で、全会一致で辞職に同意しました。杉本県政は6年7カ月で幕を閉じました。
県議会議長に4日付けでの辞職届けを提出していた杉本知事。
午前10時に開会した県議会本会議の冒頭で、知事辞職の同意が議題として諮られました。
宮本俊議長:
「起立全員であります。よって知事、杉本君の退職の申し出に同意することに決定しました」
杉本達治知事:
「福井県はまだこれから、北陸新幹線小浜・京都ルートの早期認可着工、それから福井アリーナの整備、さらには原子力、使用済み燃料の県外搬出。こういった課題に対して皆様方が一致して力を発揮し、課題解決に向けて前に進めていただけることを心から祈念申し上げます。本当にありがとうございました。そして申し訳ございませんでした」
採決後、本会議は休憩に入り杉本知事は各会派を回りました。
被害者に「当然謝罪しなければならない」
その後、午前11時からは最後の記者会見に臨みました。
杉本達治知事:
「任期半ばの退任となりまして、県民の皆様に大変なご迷惑をおかけしたことを心からお詫びを申し上げます」
報道陣から、改めて辞職に至った真意を問われると「調査の過程で、自分として不適切なテキストメッセージ複数あることについても非常に重いと考えて、内容的にも不適切極まりなく辞職の判断をした。本当に申し訳なく思っている」と答えました。
被害者への謝罪については「当然謝罪をしなければならないと強く感じている。しかし、相手の考え、特別調査委員会の判断もある。そういったものから適切に考えていきたい」としました。
また、今後も県内で生活するかという問いには「県民の皆様が許してくれるのであれば、いち県民として福井の発展のために尽くしていきたい」と答えました。
また、知事職を離れたからこそやりたいことについては「海外旅行へ行こうよと妻とは話しています。長く県内をあけることのプレッシャーは非常に強かった。長い期間離れる旅行はしたいと思っている」としました。
次の知事選に再出馬するかどうかについては、改めて「考えていない」とし、新たな知事にはどういう人物がふさわしいかという質問には「県民の皆様が判断する事」としました。
最後に、「本当にありがとうございました。また、申し訳ございませんでした」と深く頭を下げ、県政史上初めて任期途中で辞職した杉本知事。
午後1時半過ぎ、職員に見送られることなく県庁を後にしました。
福井県民の声
田島嘉晃アナウンサー:
「今日付けで辞職する杉本知事。県民はどう感じているのでしょうか」
【20代男性】
「全国的なニュースにもなってたし、あまり好ましくないというのが正直な感想。親とも話していたが、知事は結構信頼できるという印象があったので、ショック」
【10代女性】
「影響力が大きい人なので、今回みたいなことになってしまうと、次の知事を選ぶときにも大変になってくるし、どうなるか、不安」
【70代女性】
「私は(知事が)真剣に県民のことを考えてやっていたと思う」
【30代男性】
「(北陸新幹線の)小浜から京都までのルートを推進して欲しかった。知事が辞めてしまうと色々変わったりすると思うので、今のままが良かったと思う」
【70代男性】
「新幹線の後の活性化に向けた動き、アリーナ建設などもあり、福井がにぎわうようにやってくれていた印象」